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「遺伝子オンで生きる」村上和雄先生のインタビュー動画

村上和雄先生のインタビューがYouTubeにアップされています。

映画「1/4の奇跡」の入江富美子 監督が教えてくださいました。

以下、制作してくださったecowindさまからのメッセージです。

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今年四月に85歳で亡くなられた、筑波大学名誉教授の村上和雄さんのインタビューです。

11年前に撮影したものですが、公開する機会がなくそのままになっていました。今の時代にこそ必要なメッセージが込められています。ぜひ、ご覧ください。

前編と後編です。

※よろしくお願いします。

https://www.youtube.com/watch?v=v09-axvpfrQ

https://www.youtube.com/watch?v=SsOo4wM3PwM

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村上和雄先生のメッセージのエッセンスがぎゅっと詰まった素晴らしい動画です。

村上先生の真直ぐな思いが映像から伝わってきます。

ありがとうございます。

『致知』連載最終回「人間の究極の願いは幸せになること」

「致知」に連載されていた、村上和雄先生の『生命科学者からのメッセージ』は6月号が最終回になりました。

米国のポジティブ心理学者タル・ベン・シャハー博士の考えをベースに人間の幸せについて考察した今回の寄稿が、先生の最後のメッセージになりました。その内容は遺伝子のスイッチをオンにすることで人生をポジティブに生きることを伝え続けられた先生ご自身の幸福論とも重なるものです。ここに最後のメッセージのダイジェストをご紹介します。

「幸せとは何でしょうか?」

タル・ベン・シャハーはコロンビア大学で「幸せ」を学問として捉え、「ハピネス・スタディ」の教鞭をとっています。シャハーは、幸せな人生とは全人格的なウェルビーイング(よい生き方)であると定義しました。

「五つの視点から見るウェルビーイング」

① スピリチュアルウェルビーイング

自分の強みを活かし、目的のある人生を生きることは幸せと言えますが、シャハーはそれこそスピリチュアルな人生だと述べています

② 身体的ウェルビーイング

「ストレスが溜まっている」よく聞く言葉です。シャハーは健康の鍵はストレスを悪いものと捉えず、ストレスから上手に回復すること、つまりレジリエンス(「適応力」「復活力」)に変えることだと述べています。

③ 知性的ウェルビーイング

好奇心を持ち続けることでイキイキワクワクし、よい遺伝子をオンにできると私は考えています。

④ 人間関係的ウェルビーイング

よい人間関係がウェルビーイングに欠かせないことは多くの研究で分かってきています。それでは、どのようによい人間関係を築けばよいのでしょうか。実は些細な会話にもよい人間関係を築く簡単な方法があります。自分の在りのままの姿勢で、相手に興味を持って傾聴することが、相手に安心と安全を与えます。「聞く」のではなく「聴く」のです。心を傾けてよく聴くことが大事なのです。

⑤ 感情的ウェルビーイング

ネガティブな感情を持つことを許し、「湧き起こる感情は起こった出来事が引き起こしているのではなく、出来事に対する受け止め方が起こしている」と気づくことです。つまり、同じ出来事に遭遇しても、思考を変えることでポジティブにもネガティブにも感情は変わるのです。

「今ある幸せを感じて生きる」

ポジティブ心理学の父マーティン・セリグマンは昨年末、新型コロナウイルスに感染しました。七十八歳の彼は、若い人と比較するとCOVID-19で死ぬ確率は二百二十二倍高いのです。実際に彼が回復までに行った自身のポジティブ心理学の試みとは、「もう死んでもおかしくない」という最悪な状態で、対極の最高な状況を思い浮かべ、現実的な楽しいシナリオを描き、楽観主義を発揮したというものでした。

今回のパンデミックで私たちがやるべきことは、政府やマスコミなどから発信されている悲観的な未来に怯えるのではなく、自分たちにとって最善のシナリオを描くことだと思います。そしてそのことは、考えるだけで楽しくなります。楽しい気持ちは免疫力を高め風邪のウイルスから回復することが研究で明らかにされているのです。

新型コロナウィルスの出現はサムシング・グレートからのメッセージ

昨年4月に緊急事態宣言が発出され、その後5月下旬に解除になり、今年の初めにまた首都圏を中心に緊急事態宣言が発出、今も一都三県で継続中です。

この間テレビでは毎日PCR検査の陽性者数を感染者数のように報道し続けて、結果的に人の恐怖心を煽っていたように思います。PCR陽性者、感染者、発症者はきちんと区別されなければいけませんが、いまだに同様の報道が続いていると思います。

今「コロナに負けない」とか「見えない敵」と表現され、まるで人類はウィルスと戦争しているかのように感じている人も多いと思いますが、これは世界中で行われているプロパガンダではないでしょうか。

昨年の「致知」7月号に掲載されました「新型コロナウィルスの出現はサムシング・グレートからのメッセージ」では、ヒトはウィルスによって今のように進化したことが述べられています。以下抜粋です。

ウイルスとヒトとの共生

私たちのゲノムの中にはウイルスやその関連因子に由来する配列が多数存在しておりそれらを利用して、私たちはヒトへと進化したことが分かってきました。

二〇〇〇年、科学雑誌『ネイチャー』に驚くべき研究が掲載されました。胎盤形成に必須なシンシチンというタンパクが、ヒトのゲノムに潜むウイルスの遺伝子に由来することが発表されたのです。

胎盤の形成やその機能の発現にはこの内在性ウイルス遺伝子の発現が必須であり、その機能の一つが母体の免疫による攻撃から胎盤内の胎児を保護する免疫抑制機能なのです。哺乳類はこのウイルスの遺伝子を自身のゲノムに取り込むことにより、子孫を母親の胎内で育てることが可能になったのです。つまり、私たちのゲノムが進化のために突然変異したのではなく、ウイルスと共生することで進化したと考えられるのです。

その中にはヒトの脳の神経細胞の形成に必要なゲノムや、遺伝子のオン・オフに必要なゲノムもあります。ヒトのゲノムの中の一・五%程度が遺伝子であり、その他の非コード領域の四十五%ほどがウイルス由来のゲノムだというのは驚きではありませんか。

つまり、私たちはゲノムの中にウイルスを取り込んで共存することにより、現在のヒトとして進化したと言えるのです。

 

村上はこの事態に対してウィルスとの共生、地球全体での助け合いと利他の心の発動を呼びかけています。以下抜粋です。

 

こうした世界的危機に、いったいどのようなサムシング・グレートの思し召しがあるのか私には分かりません。ただ、私なりに思うことはあります。それは未知の感染症の伝播という万が一の事態は、国や民族を超えた人類全体の〝大節〟であり、地球規模の協力体制が整わなければ対応できないということです。

「ピンチはチャンスだ」と何十年も言い続けてきましたが、人類が進化するためにこのピンチは最大のチャンスであると思います。それは何よりも一人ひとりの意識を変えることによって可能になると強く信じています。かつてジャック・アタリ氏はその著書の中で、混乱した世の中に「トランスヒューマン」というべき人類全体のことを考えられる超エリートが出てくることを期待していました。

しかし、いま私は一人のスーパーマンが出てきて世界を救ってくれることに期待していません。そうではなくて、人類一人ひとりの意識が変わり、それが大きなうねりのようになった時に、世界が変わるのではないかと思うのです。

では、私たちの意識をどのように変えればいいのでしょうか。アタリ氏は、共感や利他主義が人類を救うカギになると言います。

「利他主義は合理的利己主義にほかなりません。自らが感染の脅威にさらされないためには他人の感染を確実に防ぐ必要があります。利他的であることは、ひいては自分の利益となるのです。  また、他の国々が感染していないことも自国の利益になります」と述べています。

アタリ氏は利他主義とは最も合理的で自己中心的な行動であるというのです。私は、人類は必ず互いに助け合う道を選ぶと信じています。

だが、人類が新型コロナウイルス禍を何とか克服したとしても、いままでの私たちのあり方を百八十度変えない限りこれで終わりということにはならない、と思えるのです。再び未知なる脅威が人類にメッセージを届けてくるでしょう。

いま私たちにできることは、まずは自分自身の免疫力を上げることです。そのためにも心配や恐怖という感情に支配されてしまわないことが大切です。ネガティブな感情は私たちの免疫力を著しく損ないます。これは科学的な証拠があります。そして周りの人々と励まし合い一番困っている人たちを支援することです。

情けは人のためならず、という言葉があります。人を助けて我が身助かる、という意味です。この世の生きとし生けるものは、命の連鎖という守護のもとに生かされています。そのひと繋がりの輪の中に人間もいるのです。

いま人類はかつてない変革の時にあるといえます。この時代に命を得て生かされている私たちは幸いであることを忘れないようにしたいと思うのです。

日本人の「利他的遺伝子」 『致知』第二十一回生命科学研究者からのメッセージ

人間には誰かの幸せや喜びのために生きようという「利他的遺伝子」が備わっているというのが村上和雄の持論です。

 二〇一九年の一二月アフガニスタンで医療や人道支援に尽力していた「ペシャワール会」代表の中村哲医師が、現地で銃撃されて亡くなりました。享年七十三歳、志半ばでの悲報でした。一九八四年、ハンセン病の根絶のプロジェクトに参加した中村医師は、その後、診療所を開設して現地の医療に貢献していました。やがて彼は「医療よりもまず水だ」と医療活動を超えた復興支援を決断し井戸掘りを始め、二〇〇三年からは「百の診療所より一本の用水路を」と、用水路の建設に挑みました。しかし、彼らの人道的支援活動に対する脅しが激しくなり、彼は日本人スタッフを全員帰国させ、たった独りで現地に残りました。

命を使うと書いて「使命」といいます。中村医師の活動はすべて医療が原点ですが、医師としての活動を遥かに超え、まるで与えられた使命を果たすかのように行動し続けました。

彼の生き方は、アフガニスタンの人々と多くの日本人の「利他的遺伝子」をオンにした、と村上はいいます。

一方、この三月で東日本大震災から十年が経ちます。あのときこの国を覆っていた重い空気を、今でもありありと思い浮かべることができる人は多いのではないでしょうか。あの震災は日本人にとって忘れられない辛い経験です。しかしながら、あの頃私たちは何度も「絆」という言葉を聞き、心の中で繰り返していたのではないでしょうか。

台湾の『看雑誌』には、次のような記事も紹介されています。「大地震の発生後、日本国民は乱れることなく冷静さを保ち、マナーのよさは日本社会のよさを表し、他国で見られがちな混乱や秩序のなさ、強奪といった問題行動は一切見られなかった。危機のなかにおいて、法に従い、秩序を守る気高さこそが、日本人のすばらしい国民性をより顕著に表していた。これは、国際メディアがこぞって絶賛している点である。(中略)いったい、どんなパワーが日本人のこういった高度な秩序と自制力を成しえるのだろうか」

 日本人同士で日本人はすごいと褒め合っても説得力がありませんが、こうやって外国の方が感嘆の声を上げてくださると、私たちは自分たちが日本人であることに喜びを感じることができます。    私たちは日本人として、もっともっと胸を張って歩いていいのです。先の震災は、本当に悲しい出来事でしたが、その半面、日本人の素晴らしさを引き出してくれたのではないでしょうか。人間というのはこんなに温かかったのだと思えることが、震災後には山ほどありました。人間が持っている利他的遺伝子が、震災という大きな刺激を受けてONになったことで、そういう感動がたくさん生まれたのです。

 私は、震災によって多くの日本人の利他的遺伝子がONになったと思います。その出現の仕方に違いはありますが、少しでも人の役に立ちたい、社会のためになりたいと誰もが考えたはずです。そして、日本という国が、利他の心を目覚めさせていく大きなきっかけとなったのではないでしょうか。できることなら、こういう大災害が起こった時ばかりではなく、どんな時でも、利他的遺伝子をONにしていければ素晴らしいと思いますが、災害にも様々な側面があることを私たちは教えられました。

ちょうど1年前の「致知」に掲載されたメッセージですが、現在新型コロナという災厄に見舞われている私たちにとって、どう生きていくのか、を改めて考えさせてくれると思います。

『致知』連載第十三回 笑いこそ至高の妙薬

村上和雄の「笑い」研究は世界に知れ渡るほどのインパクトをもたらしました。

  •  笑いが健康に影響を及ぼすことを、医学界に認知させたのはアメリカのジャーナリスト、ノーマン・カズンズ氏です。彼は膠原病の一つである強直性脊椎炎に罹った。治る見込みは1/500という難病だったが、カズンズ氏は医師が勧める薬剤治療を辞退し、連日喜劇鑑賞に勤しむとともにユーモアたっぷりの本を読み漁り、積極的に「笑う作戦」に打って出た。その結果、数か月後には症状が改善し、仕事に復帰することができた。その後カズンズ氏は難病を克服した詳細な過程を医学誌に発表し、これが契機となってカリフォルニア大学ロサンゼルス校の医学部教授にもなった。
  • 村上は、笑いなどのポジティブなストレスを与えることで、糖尿病患者の血糖値を改善することができるのではないかという仮説を立て、研究を行った。実験では糖尿病患者に、一日目は昼食後に、大学の先生の講義を聴いていただき、二日目には同じく昼食後に、今度は漫才を聴いてもらった。漫才を担当したのは、B&Bのお二人。昼食前と、講義や漫才が終わった後に血糖値を測った。その結果、講義を受けた後と、漫才で大笑いをした後とでは、実に四十六ミリグラムもの数値差が生じた。この研究の論文は、アメリカの糖尿病学会誌に掲載された。さらにロイター通信や『ニューズウィーク』にも論文の内容が掲載されて、村上の研究結果は世界中に知れ渡ることになった。
  • 可笑しいから笑うのではなく笑うから可笑しくなる。つくり笑いでも、神経伝達物質であるドパミンが脳内で分泌されることが報告されている。

笑いは副作用のない薬。「いつでも笑いに溢れた生活を心掛けていると、それだけで健康に繋がるよい習慣を身につけることになる」と村上はいいます。

『テクノロジストマガジン』創刊号 「研究者の肖像」

3年前に創刊された研究者のためのヒューマンドキュメント誌『テクノロジストマガジン』。記念すべき創刊号の表紙は村上和雄でした。現在vol.17が発刊されているこの雑誌は、研究に関係ある方は読む機会もあるかと思いますが、一般にはあまり目にすることはないかもしれません。でも研究者といってもその専門以外のことはあまり詳しい訳ではありません。この雑誌の巻頭を飾る「研究者の肖像」は、専門外の方が読んでも、その研究内容ばかりでなく、その研究者の人となりに興味がわいてきます。下記のリンクから村上和雄「研究者の肖像」ページが読めますので、是非!

『テクノロジストマガジン』創刊号https://www.criprof.com/magazine/2016/05/09/post-2231/

 

天草シティFM「みつばちラジオ」で村上和雄が語ります

タイトル  「幸せの遺伝子が目覚める話」

放送予定日  2019年1月29日(火)、30日(水)

午前5時~5時半・再放送同日午後3時~3時半

放送媒体   天草シティFMみつばちラジオ周波数 88.8㎒

インターネットサイマルラジオ https://fmplapla.com/mitsubachiradio/

花咲実の幸せラボ(HP) http://hanasakiminoru.info/

聞き逃した方は上記のHPで後日放送内容がUPされるのでチェックしてみてください。

リンク

公益財団法人 日本スポーツ協会発行の情報誌「Sport Japan」の41号では〈特集〉“ストレスをプラスに変えると……” ストレスがある、だからこそスポーツは魅力満載!と題しまして、スポーツにおける「ストレス」に焦点を当てております。
その中に、「遺伝子レベルで考える 陽性ストレスは人を未知の世界にも導く」というタイトルで村上の記事が掲載されております。

「・・・火事場の何とかのように、予期せぬ力を発揮することもある。眠っている遺伝子に働きかけられれば、可能性は広がることを物語っています。
・・・スポーツのだいご味は、競争して№1になることもその一つですが、オンリーワンになれるのもまた確かでしょう。オンリーワンになるために磨きをかけるには、どんなことに向いているのか知ることもまた大切です。
・・・ネガティブなストレスをポジティブに変える。
・・・固定観念にとらわれず、柔軟性を持って限界を決めず、人間は未開発の情報を持っていること、そして無限の可能性があることを理解させる・・・」

トップアスリートなら自身でストレスを楽しみに変える力があるのかもしれませんが、一般の人はどうすればいいのでしょうか。スポーツ指導者が、どのようにストレスを活用していけば、プレーヤーをさらなる高み、あるいはさらなる楽しみの世界へと導けるのでしょうか。そういう事へのヒントを村上の言葉で語っております。
スポーツをやられる方もやられない方も、村上の言葉で勇気をいただき、新たな可能性が広がっていくかもしれません。

Sport Japan 2019年1・2月号(vol.41)
https://www.japan-sports.or.jp/publish/tabid661.html?pdid=148

『致知』連載第四回「私の研究人生を決めた「酵素レニン」との出合い」

『致知』連載中の村上和雄「生命科学研究者からのメッセージ」。十月号の

写真:致知2018.10月号より

テーマは 「私の研究人生を決めた「酵素レニン」との出合い」。研究者にとって研究テーマとの出合いは、伴侶との出合いにも例えられる、運命的なものかもしれません。村上にとってその後の研究人生を決定づけたのが、高血圧の黒幕「酵素レニン」との出合いでした。レニンの純化に世界で初めて成功し、厳しい成果主義のアメリカで、研究者としての実力と評価を確固たるものとしたのです。このままアメリカで研究人生を極めようと決めた矢先に、恩師満田先生から、「筑波大学というアメリカ的な大学を日本につくるから帰ってこないか」と言われ、村上の研究人生は新しい展開を見せます。今でこそつくば市は研究学園都市として高い知名度を誇っていますが、四十年余り前の当時は、道路も整備されておらず、一面に田んぼが広がり、食事をする場所もなかったそうです。新設された筑波大学も、実験室は完成しておらず、村上も正直「失敗したか」と、思ったようです。それでも数年すると校内の研究施設も整い、村上は「筑波大学を国際的な大学にする」という高い志をもって、教育・研究と大学管理職の仕事にその情熱を傾けていくのです。      写真の村上和雄の目ぢからがすごい!

『致知』連載第三回「学恩深き恩師への尽きぬ思い」

今年七月号から『致知』で村上和雄の新連載「生命科学研究者からのメッセージ」が始まっています。「致知」は「日本で唯一の人間学を学ぶ月刊誌」と謳っている定期購読の雑誌です。

九月号のテーマは「学恩深き恩師への尽きぬ思い」。

前号の平澤興先生が‘こころの師’であるとすれば、京都大学名誉教授の故・満田久輝先生は村上にとっての‘生涯の恩師’。食糧科学分野における唯一の文化勲章受章者である満田先生は栄養科学がご専門でした。二十世紀以降世界各地で戦争紛争が続き、栄養状態の悪化によって多くの命が失われました。そこで満田先生は精米しても玄米の豊かな栄養素が失われない米、ビタミン強化米をつくり、それは戦後の食糧難の日本や発展途上国で大いに役立ったのです。村上和雄のイネ全遺伝子解読の研究も、恩師・満田先生の教えの流れの中にあったものかもしれません。揺るぎない師弟関係から生み出された多くの研究成果がまた、次の新しい世界を作っていくことを感じました。