No.6 幸せの遺伝子 


前回 No.5 生きている。それだけで素晴らしい、でご紹介しました一文のなかにも村上和雄
先生の「笑いと糖尿病実験」の話が出てきましたが、先日、友人の看護師さんが下記動画に
「村上和雄先生のことが紹介されているよ」と教えてくれたので拝見しました。

https://youtu.be/GuckArvQBCo

こちらの動画では薬、とくに風邪薬や抗生剤を多用しがちな日本人に対する警告と、そもそも
「病気が治るということはどういうことか」が、わかりやすく解説されていました。

村上先生は生前、次のようなお話をよくされていました。

「友人の製薬会社の社長は、自身は薬をほとんど飲まないと言っている。それは薬には副作用があることをよく知っているからだ」と。

実は私も以前は頭痛持ちで市販の鎮痛剤をしょっちゅう飲んでいました。我慢するのが嫌だと思っていたのです。でもあるとき、これは身体によくない、と思い、それからはできるだけ服用しないようにしました。気が付けば、いつの間にか頭痛そのものがなくなっていたのです。

今回は、動画の中でご紹介いただいた 「幸せの遺伝子」育鵬社 からの抜粋です。

第三章 遺伝子が喜ぶ生き方 より

⑥ 明るく前向きに生きる

私たちの「心と遺伝子研究会」では、吉本興業に協力していただいて、「笑いによって遺伝子の
スイッチが入ったり切れたりするか」という実験を行いました。

糖尿病の患者さん二十五人に集まっていただき、軽い昼ごはんのあと、大学の先生の講義を聴いていただきました。テーマは「糖尿病のメカニズムについて」です。

ご存知だと思いますが、大学の先生の話というのはあまりおもしろくありません。わかりにくいし、ユーモアにも欠けている。そこで先生には、いつもどおりの講義を四十分してくださいとお願いして、そのあと糖尿病患者さんたちの血糖値を検査しました。

すると、空腹時の血糖値よりも、なんと平均123ミリグラム上がっていたのです。なかには200ミリグラムまで上がった人もいました。このデータが示しているのは、血糖値の高い人は、つまらない講義を聴いてはいけないということです。

そして、翌日、前日と同じ時間に同じ人たちに漫才を聴いてもらいました。吉本興業から参加して
くださったB&Bというコンビがいよいよ舞台に登場するというそのとき、私は、こう耳打ちしたのです。舞台袖で島田洋七、洋八さんに、

「もしこの実検が成功したら、間違いなく糖尿病研究の歴史に残りますよ。笑いと血糖値、笑いと遺伝子の関係には、まだだれも気がついていませんから」

お二人は気合いの入った漫才を披露してくださって、みんなは大笑いしていました。
その直後に血糖値を測ったら、空腹時との差は平均七七ミリグラム。講義のあとより笑ったあとのほうが、四六ミリグラムも低かった。笑いだけで糖尿病患者さんの、食後の血糖値の上昇が大幅に抑えられたのです。

私が、この実験計画を糖尿病の専門医に相談したとき、多くのお医者さんから「そんなアホみたいな実験をまともな医者はやりません」といわれました。つまり、私たちはちょっとアホであったということが、この研究の決め手だったわけですが、実験結果を見て、お医者さんの目の色が変わりました。「これはおもしろい。すぐ発表しましょう」とおっしゃって、翌月にはアメリカの有名な糖尿病の学会誌に論文として掲載され、ロイター通信や、アメリカのマスコミが世界に伝えてくれたのです。

調べてみると、ガン患者に喜劇や落語を見せたところ、免疫力が高いと活性化するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)が増えたというデータや、アトピー性皮膚炎の患者に漫才のビデオを一定期間見せたら、症状が軽減したという報告などもあります。こういう実験が進んでいけば、近い将来、薬の代わりにお笑いのDVDを出すような医療機関が出てくるかもしれません。「毎食後、このDVDを見てください」と。

私は、薬はあまりのまないほうがいいと思っています。私の友人で薬屋の社長がいますが、彼はほとんど薬をのみません。なぜなら、薬には副作用があることを、普通の人以上によく知っているからです。副作用のない薬は原則的にないと私は思っています。もし、副作用が全然ない薬があるとしたら、それはまった<効かない薬でしょう。

最近のアメリカの統計によると、アメリカでは年間三十万人が薬の副作用で亡くなってアメリカの死亡率のトップは薬の副作用です。少し前まで十万人といわれていました。ものすごい勢いで増えているのです。日本はその数を発表していませんが、アメリカで起こっていることが、日本で起こっていないわけがない。薬に副作用があるのは、ほほ間違いありません。

中略

眉間にシワを寄せているより、笑顔のほうが自分が気持ちいいし、まわりも気持ちいい。
「笑う門には福来る」といいますし、中国には「一笑一若」という言葉があります。一回笑うと、一つ若返る。西洋では、「笑いは最良の薬」といわれてきました。医者はそんな話を信じていなかったのか、それを科学的に裏づけるデータは極端に不足しています。

しかし、小さなことにくよくよしないで明るく前向きに生きる姿勢が、悪い遺伝子をオフにし、
よい
遺伝子をオンにして、健康や幸福につながっていくことはほぼ間違いのないことです。

楽しいから笑うのではない、笑うから楽しくなるのだともいいます。幸せになる秘訣は、幸せそうにしていることだともいわれます。そういう考え方が、肉体にもいい影響をもたらすのです。

育鵬社:幸せの遺伝子ー「ひらがな言葉」が眠れる力を引き出す!
*現在上画像の単行本は廃番ですが、扶桑社のオンデマンドペーパーバッグ、
    kindle版が発売されています。