このHPをお読みくださっている方に
村上和雄の本や講演録のなかから、いま、
お伝えしたいことばをご紹介してまいります。
代表作である「生命の暗号」からの抜粋です。
遺伝子をONにできるひと、できないひと
人間の遺伝子のうち解明された遺伝子はまだわずかです。これら遺伝子が、
A、T、C、Gの四つの化学の文字で表わされる三十億の情報をもとに
細胞をはたらかせるのですが、実際にはたらいているのはわずか五%程度
とみられ、そのほかの部分がどうなっているのかはよくわかっていません。
つまり、まだOFFになっている遺伝子が多いのです。心のあり方で遺伝子の
はたらき方が違ってくるのは、人間の遺伝子のほとんどがOFFになっている
ことと関係があるのかもしれません。私はこのわかっていない遺伝子のなか
にも、心と強く反応する遺伝子があるのではないかと思っているのです。
心そのものは遺伝子に完全には支配されませんが、心が体に命じて何かを
実行するためには遺伝子のはたらきが必要なのです。
では幸せをつかむために、私たちは遺伝子をどうはたらかせればよいのでしょうか?
それは日常生活をはつらつと前向きに生きることだと考えています。
「イキイキ、ワクワク」する生き方こそが人生を成功に導いたり、幸せを
感じるのに必要な遺伝子をONにしてくれるというのが私の仮説なのです。
・・・中略・・・
最近は、「ダメ」を前提に考えて生きている人が多いように思います。これは
遺伝子からみるとけっしてよい生き方とはいえません。「食べすぎはダメ」
「飲みすぎてはいけない」「タバコはやめるべきだ」「塩分は少なめに」
「もっとやせなければ」「栄養に気をつけて」。実はこういうのは
「反遺伝子発想」だといってよいでしょう。
なぜなら、こういう規制のほとんどは統計的な話で、個人個人にとってそれが
本当に正しいかどうかはわからない。たとえば、体脂肪率が二五%以上あることは
すべての人にとって本当にわるいことなのか、実はまだよくわかっていないのです。
タバコを吸うと肺ガンになるといわれていますが、一方でヘビースモーカーで
肺ガンにならない人もけっこういるのです。統計的な話として聞いている分には
正しいが、すべてが自分に当てはまると思ってそれにこだわりすぎると、遺伝子
にはマイナスの影響を与えてしまいます。
この辺のことは、遺伝情報がすべて解明できればはっきりしますが、処方箋は
一人ひとり違うと思うのです。極論になるかもしれませんが、本当に好きなら、
他人に迷惑をかけないかぎりタバコをやめなくてもいい。飲みたいお酒は飲めばいい。
食べたければ食べればいいのです。
少々遺伝子に悪影響があっても、最終的に病気にならなければいいのです。
ガンだって共存できる方法があります。要は不必要な遺伝子はできるだけOFFにして
眠っていてもらい、いい遺伝子をONにしてたくさんはたらいてもらうこと。
その生き方の鍵をにぎっているのが「ものの考え方」だということです。
このような考え方を、私は「遺伝子発想」と呼びたいと思います。遺伝子を上手に
コントロールして生きてほしいのです。
■1997年 サンマーク出版 村上和雄 『生命の暗号』30-33Pより引用
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【ホンのひとこと】
コロナ疲れが日本中蔓延し、何もかも自粛、人と会うこともできず、
行動や考えの最初に「コロナだから・・・」と思ってしまう、そんな
毎日になっていないでしょうか。
「コロナにかかったらどうしよう」と、恐怖でガチガチになることは、
「反遺伝子発想」だと思います。それではたとえコロナにかからなくても、
幸せに生きることから離れてしまうでしょう。
ふ~っと息を吐いて、「好きなことを考えて、好きなことをしよう!」と
「遺伝子発想」で生きることをオススメしたいと思います。
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