村上和雄の本とひととき

No.8 米食民族の価値観

今年初めてのHPのUPです。本年もよろしくお願いいたします。

昨年末の記事に引き続き、満田久輝先生のご著書『米、再考 コメは世界の主食です』
(聞き手:村上和雄先生)からの抜粋をご紹介したいと思います。  

村上和雄先生は「心と遺伝子研究会」で「食と心」の研究もされてきました。

食は明らかに人の心身の健康に影響を及ぼします。

私の観察による個人的意見ですが、元気な年配の方は、総じて健啖家でお肉を美味し
く召し上がっているように感じます。いっぽう、わたくし事で恐縮ですが、毎年お正
月明けに体調を崩すことが多く、その原因は年末年始のご馳走の食べすぎではないか、
と思い至るようになりました。

具合が悪いときは何も食べないのが一番よくて、少し回復してきたときにお粥をいた
だくと、日本人でよかったなぁ、としみじみ感じます。お正月明けに七草粥で胃腸を
休める機会がつくられているのは、理に適っていると思います。

今回の抜粋では、満田先生と村上先生が、食と人間の性質について考察されています。
性質には遺伝子の違いが関わってきます。つまり人種によって、もっといえば、ひと
りひとり遺伝子が違うので、自分の身体に適した食べ物と食べ方はそれぞれ違う。だ
から、それを見つけることができれば、健康に幸せに生きられるかもしれません。
それは単純に栄養素に還元されるものではないようです。

また、「歯からみたヒトの食性」についての考察にはとても説得力があります。

四半世紀前の書籍ですが、先生方が危惧された状況は加速して悪化の一途をたどり、
人類は崖っぷちに立っているように感じます。


第二章 コメの栄養

 米食民族の価値観

満田 稲はいくら文句を言われても、稔れば稔るほど、しおらしく頭を垂れている。
その姿を見ると、われわれもやはり、ああしなければいけないなという自制の気持ち
が出てきます。欧米は麦中心の考え方ですけれど、東洋はコメを食べる人間のよさも
あると思っています。

村上 米食民族とその価値観という問題ですね。

私は昭和三〇年ぐらいに満田先生の紹介でオレゴン医科大に留学しました。その時
感じたこと一つは、やはりアメリカ人は肉食人種であるということです。私たちの
食べる肉は紙のように薄いが、彼らはぶ厚いビフテキを食べる。

動物をたくさん食べていた民族と、植物を食糧の主体にした民族は、おそらく考え方
とか生き方においても少し差が出てくる。
たとえば、東洋の思想はコメのような思想、植物とともに生きる思想頭を垂れる思想
です。
一方、動物をたくさん食べる人には、強いものが弱いものに勝っていくという一種の
競争原理がある。もちろんそれはそれで意味があるけれども、行きすぎると 弊害も
出てくるのではないか。アメリカの社会を少し見てそう感じます。

今アメリカは、家庭の崩壊とかエイズの問題とか、いろいろな面で大きな行き詰まり
が来ています。これは全体の考え方、また食べ物も影響があるのではないかと感じる
のですが、いかがでしょうか。

満田 同感です。肉食動物のメリット、デメリットはやはりありますね。

村上 闘争心が強くて、競争心が強くて、ある意味ではいい面でもあるし・・・。

満田 いい面は、たとえば先ほどのFAO、WHO、UNICEFの仕事の時でも、夜十二時
まで会議をしても、朝は七時になったらケロリとしています。それを一週間やられる
と、体力気力で彼らに負けそうになる。私は学生時代、スポーツばかりしていた方で
すから、負けるものかと気力で向かっていく。やはり彼らはステーキを食べているか
ら、体力、エネルギーは十分に持っています。

それがいい方にいっている時はいいけれど、エゴになられたのでは困る。アメリカで
は、お医者さんとかインテリの会議ですと灰皿は一つもない。自分らが肺がんになっ
たら困るから、たばこは吸わない。そうすると、アメリカのたばこ産業は困ることに
なる。で、どこかへ売らなければならないから、日本をねらってきて、日本の婦女子
の喫煙者がどんどん増えてきている。日本の女性は肺がんになってもいいのか。
たばこでもコメでも、人類全体を考えずに、自分らだけがよければいいという思想は
残念ですね。

村上 人類と植物、動物、そういう自然全体を考える、こういう思想は東洋思想の
一つの特徴で
はないかという気がします。

満田 調和、バランス、これが問題です。急いで進歩しようとするところにひずみが
できてくる。自然界の大気は、炭酸ガス〇.〇三%、酸素二一%、あと窒素、そういう
パランスが保たれておりさえすればいいものを、短距離競走みたいに急いでやるから、
今まで自然界の系で保たれていたものがアンバランスになってくる。温暖化の問題と
か、オゾン層の問題とか、みなこれはひずみです。自分の国だけではなしに、隣国の
ことあるいは世界全体のバランスを考えなければいけない。

便利だからというので急いで一斉にやるから、先進国はいいけれど、開発途上国は
困ることになる。やはり調和が大切でしょう。

村上 科学をやっている者のありがたいところは、インターナショナルな土俵がある
ということです。いい研究をして、国際的に発表して、評価をうけて、研究費が入っ
て、さらに研究がよくなるという話を、私も弟子の一人として先生から今までお聞き
してきて、知らず知らずに感じていたようなことを、私も私なりの立場で、やってい
るんですね。それが教育にたずさわっている者のありがたいところです。

 ※日本食見直す「米」国人

日本人の食生活は、最近とくに都市において欧米化が進み、主食と副食物の比率が逆
転し、“勇み足”の心配が出てきている。

外国に出かけることの多い私は、主義として、その国の典型的な食事をとり続けるこ
とにしているが、ある時、その土地の人々のすすめでニューヨーク、ロサンゼルス、
メキシコその他あちこちですし屋を訪ねてみた。お客のほとんどがアメリカ人で盛況
を極めていること、材料が新鮮で、おいしく、しかも安いのに驚いた。エピ、ウニ、
マグロ、カズノコなど、ネタもよいし、シャリもなかなか立派なものである。

なぜ「にぎりずし」を食べるのか、と親しいアメリカの友人たちにたずねると、彼ら
は「美容食、健康食だ」と答えた。獣肉と油で揚げたポテトを頻繁に食べてきた彼ら
が、脂肪の少ない魚介類の味と栄養的メリットに気づき始めたらしい。

かつては、日本人は輸入米を“外米”といって、ばかにしたことがあるが、今の日本の
コメは以前ほどおいしくない。とくに、すし米もアメリカで生産されていることをご
存じだろうか。日本は年々コメの消費量が落ちているが、逆にアメリカではコメを好
む人が増えている。国名が示すようにまさに「米」国になりつつある。脂肪のとりす
ぎを防ぐため、旧来の日本食のよい点を見習い、バランスのとれた摂取法の一つとし
てワサビの効いたにぎりずしの味をおぼえだした外国人もいる。

もともと彼らの食事内容はあまりにも脂肪過多であり、蛋白(P)、脂肪(F)、でんぷん
(C)の比率、すなわち、PFCカロリー比が非常にゆがみ、さまざまな成人病の原因とな
っている。一方、インドをはじめ開発途上国ではでんぷん食品にかたより、P、Fの摂
取量が著しく少なく、栄養失調を起こしている。現在の日本人の栄養摂取量比は理想
的であり、長寿国であることを、世界中の栄養学者が認め、高く評価しているが、油
断をすると直ちに欧米
型になってしまうだろう。

最近、中途半端な栄養学に振り回されている知識人が多い。この食べ物には、コレス
テロールが多いとか、発がん性物質がたくさん含まれているとか、アルカリ性食品の
定義も十分に理解せずに、いろいろと自説を他人に強要している姿を見かける。栄養
学に関心をもっていただくことはありがたいが、少し神経質になりすぎている。

それよりも私は「口を開いて自分の歯を鏡に写してごらんなさい」と、申しあげたい。
門歯が八本、犬歯が四本、臼歯が二〇本、合計三二本そろっているのが永久歯の正常
の姿である。門歯は果物、野菜をかみ切り、犬歯は獣鳥、魚肉を砕き、臼歯は穀類を
咀噌するものと、大ざっぱに考えると、果物、野菜(ミネラル、ビタミン)を二、獣
鳥肉、魚介類(蛋白、脂肪)を一、ご飯、パン、うどん(でんぷん)を五の比率でとり、
牛乳、お茶、お酒などを適当に飲み、偏食せずによくかみ砕き、おいしく笑いの中に
食事をすることが大切である。

永久歯が老化し、だんだん欠けてくるにしたがって蛋白、脂肪、でんぷんの摂取量比
も変わってくる。草食動物には犬歯がなく、臼歯の数は多く鋭いことを静かに観察す
るとき、生物の合目的性に頭が下がる。

必要なものはますます発達し、不要なものは退化するのが世の常である。

集英社:「米、再考 コメは世界の主食です」 1993年発行

No.7 「米、再考」コメは世界の主食です

村上和雄先生といえば「笑いと遺伝子」の研究で一般の方に広く知られて
いますが、コメに関する研究でも多くの成果を上げられました。

なかでもイネ・ゲノム解析は、アメリカとの国際競争でしのぎを削る国家
プロジェクトであり、先生にとっては、身も心も削られるほど過酷なもの
であったと聞きました。

しかし、「イネは、イネだけはなんとしても日本人の手で」という強い思い
をもって日本チームがその研究を完遂した、と伺ったとき、米が日本人の魂
と深く結びついていることを感じさせられました。

村上先生は、もともと京都大学の農芸化学のご出身であり、その恩師に
満田久輝先生がいらっしゃいます。

満田先生はビタミンCの定量法、ビタミン強化米、米の貯蔵法など数々の発明や
研究の功績を残され、数多くの受賞歴をお持ちの研究者です。
その道では大変ご高名な科学者ですが、一般の方にはあまり知られていないと
思います。(たいていの科学者はそうです)

最近、満田久輝先生のご著書『「米、再考」コメは世界の主食です』(初版1993年)
を読ませていただき、満田先生の先見の明、ユニークで大局的視点、高潔なお人柄に
魅了されました。(ちなみにこの本の聞き手は筑波大学教授時代の村上和雄先生です)

現在日本の食料自給率は40%を切っています。食料自給率にもいろいろと難しい計算
方法
があって、一概には述べられないのですが、食料の多くを輸入に頼っている日本
において、
コメは100%自給できる、最も大切な食の要といえます。
そして、コメは単なる食料ではなく、
日本人の文化や環境、宗教、生き方にも影響を
与えてきた特別なものであることは間違い
ありません。

特に素晴らしいと感じましたのは、産油国にむかう日本の石油タンカーにコメを積んで
途中の飢餓に苦しむ国にコメを現物で支援し、空になった
タンカーに石油を積んで帰って
くればいい、と書かれているところです。満田先生の発明された炭酸ガス封入密着包装法
ならばコメの品質を落とさずにそれが容易にできるうえ、真の人道支援といえる発想では
ないでしょうか。

本書をご紹介するにあたって、農水省のHPで日本の食糧事情に関する記事を読みました。
(是非、読んでみてください)↓

https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/ohanasi01/01-03.html

国という大きな単位での方向性を変えることは容易でない、と痛感いたしますが、
事態がひっ迫しているように感じられる今、食卓にのぼるおいしいごはんが辿って
きた道のりと未来を
、満田先生の提言とともに、考えてみてはいかがでしょうか。

「米、再考 コメは世界の主食です」集英社 からの抜粋です。
・・・本書は下記の提言から始まっています。

 

  提言 

荒れ果てた休耕田の片隅にたたずんで、かつての瑞穂の国が「コメまで買え」と迫られ
ているこの現況に対して、ひと言提言したい。

アメリカ、否、米国からは、永年、小麦、大豆、濃厚飼料をはじめ多くの食糧を購入して
いるわが国の食糧自給率は、今や世界最低である。
まさに、薄氷、バブルの上に一億二千四百万人の日本人が右往左往している感が強い。

今、われわれは、改めてコメを考えるのではなく、稲作、水田を考えなければならない。

環境汚染が地球規模で盛んに論議されている時、わが領土から水田が激減したら、取り返し
のつかない状態になり、日本人の心は、すさみ果てるに違いない。
水田に代わって工場が林立し、団地が増築されたら、人間、動物の呼気の浄化はいったい
どうなるのか。
時に慄然たる思いにかられる。

水田は今さら言うまでもなく、雨水を一定期間、保水してくれる。この水をダムで蓄えよう
としたら、大変な工事が必要である。豪雨の時も、各地に水田があるからこそ、都市は直撃
されずに済む。これらの効能を金銭の多寡で表わすとすれば、莫大な金額になるはずである。

一方、稲の緑は半年近く日本人に心のやすらぎを与えてくれている。
例えば、車窓から
眺めるのどかな農村風景、この精神安定効果は無限大と言ってよい。

安全保障、さらには国土の環境保全の点から、コメの輸入は徹底的に拒否しなければならない。
先年のペルシャ湾の大空襲、イラク、クウェートの激戦、気化爆弾など新兵器の出現の報道を
静視する時、多くの人たちは水、食糧の重要性を改めて再認識されたことと思う。

石油はなくても、人間は生きていける。一滴の飲料水の大切さ、食糧備蓄の緊要性を痛感
した次第である。冷害、台風は周期的に襲ってくるものである。もし、備蓄を怠ってコメが
不足する事態が生じた時は、前例にならって隣国(韓国)にお願いし、緊急輸入する一方、
農家に礼を尽くして休耕田を速急に緩和し、早場米を増産し、その危機を切り抜けることだ。
コメの市場開放は慎重にすべきである。

しかし、万に一つ、最悪の事態になった時は、巨額の外貨の黒字を減らすためにも、最小限
の外米を購入し、日本の船で運び、日本から二〇〇海里の沖合まで搬入すること
である。

そして、日本の国土には上陸させず、輸送中のコメの品質劣化や虫害を防止するため、
炭酸ガス封入密着包装法を行い、ドラム缶または積層フィルム袋に外米をつめる。

それを、タンカーに積みかえ、産油国へ向け出港する。途中、飢餓に苦しんでいる開発
途上国の人々に恵与し、人類福祉に貢献することだ。

国際協力甚金など莫大な国費を海外に援助しているが、笊に水の感なきにしもあらずで、
本当に飢えに苦しんでいる住民の手に届いているかどうか疑わしい。それよりも、現物を
支給して難民を救い、餓死寸前の乳幼児を救済し、国際親善に役立てたい。目的地の産油
国に到着後は、石油を購入して積み込み、日本に持ち帰ることだ。

コメの国、ニッポンであるにもかかわらず、コメについて正しい知識に欠けている人が
意外と多い。本書を通読されて、為政者は一日も早く、健全、合理的な食糧政策を確立され、
英断を以て実行に移してほしいものである。

平成五年二月十一日

満田久輝

集英社:「米、再考」コメは世界の主食です

No.6 幸せの遺伝子 

前回 No.5 生きている。それだけで素晴らしい、でご紹介しました一文のなかにも村上和雄
先生の「笑いと糖尿病実験」の話が出てきましたが、先日、友人の看護師さんが下記動画に
「村上和雄先生のことが紹介されているよ」と教えてくれたので拝見しました。

https://youtu.be/GuckArvQBCo

こちらの動画では薬、とくに風邪薬や抗生剤を多用しがちな日本人に対する警告と、そもそも
「病気が治るということはどういうことか」が、わかりやすく解説されていました。

村上先生は生前、次のようなお話をよくされていました。

「友人の製薬会社の社長は、自身は薬をほとんど飲まないと言っている。それは薬には副作用があることをよく知っているからだ」と。

実は私も以前は頭痛持ちで市販の鎮痛剤をしょっちゅう飲んでいました。我慢するのが嫌だと思っていたのです。でもあるとき、これは身体によくない、と思い、それからはできるだけ服用しないようにしました。気が付けば、いつの間にか頭痛そのものがなくなっていたのです。

今回は、動画の中でご紹介いただいた 「幸せの遺伝子」育鵬社 からの抜粋です。

第三章 遺伝子が喜ぶ生き方 より

⑥ 明るく前向きに生きる

私たちの「心と遺伝子研究会」では、吉本興業に協力していただいて、「笑いによって遺伝子の
スイッチが入ったり切れたりするか」という実験を行いました。

糖尿病の患者さん二十五人に集まっていただき、軽い昼ごはんのあと、大学の先生の講義を聴いていただきました。テーマは「糖尿病のメカニズムについて」です。

ご存知だと思いますが、大学の先生の話というのはあまりおもしろくありません。わかりにくいし、ユーモアにも欠けている。そこで先生には、いつもどおりの講義を四十分してくださいとお願いして、そのあと糖尿病患者さんたちの血糖値を検査しました。

すると、空腹時の血糖値よりも、なんと平均123ミリグラム上がっていたのです。なかには200ミリグラムまで上がった人もいました。このデータが示しているのは、血糖値の高い人は、つまらない講義を聴いてはいけないということです。

そして、翌日、前日と同じ時間に同じ人たちに漫才を聴いてもらいました。吉本興業から参加して
くださったB&Bというコンビがいよいよ舞台に登場するというそのとき、私は、こう耳打ちしたのです。舞台袖で島田洋七、洋八さんに、

「もしこの実検が成功したら、間違いなく糖尿病研究の歴史に残りますよ。笑いと血糖値、笑いと遺伝子の関係には、まだだれも気がついていませんから」

お二人は気合いの入った漫才を披露してくださって、みんなは大笑いしていました。
その直後に血糖値を測ったら、空腹時との差は平均七七ミリグラム。講義のあとより笑ったあとのほうが、四六ミリグラムも低かった。笑いだけで糖尿病患者さんの、食後の血糖値の上昇が大幅に抑えられたのです。

私が、この実験計画を糖尿病の専門医に相談したとき、多くのお医者さんから「そんなアホみたいな実験をまともな医者はやりません」といわれました。つまり、私たちはちょっとアホであったということが、この研究の決め手だったわけですが、実験結果を見て、お医者さんの目の色が変わりました。「これはおもしろい。すぐ発表しましょう」とおっしゃって、翌月にはアメリカの有名な糖尿病の学会誌に論文として掲載され、ロイター通信や、アメリカのマスコミが世界に伝えてくれたのです。

調べてみると、ガン患者に喜劇や落語を見せたところ、免疫力が高いと活性化するNK細胞(ナチュラルキラー細胞)が増えたというデータや、アトピー性皮膚炎の患者に漫才のビデオを一定期間見せたら、症状が軽減したという報告などもあります。こういう実験が進んでいけば、近い将来、薬の代わりにお笑いのDVDを出すような医療機関が出てくるかもしれません。「毎食後、このDVDを見てください」と。

私は、薬はあまりのまないほうがいいと思っています。私の友人で薬屋の社長がいますが、彼はほとんど薬をのみません。なぜなら、薬には副作用があることを、普通の人以上によく知っているからです。副作用のない薬は原則的にないと私は思っています。もし、副作用が全然ない薬があるとしたら、それはまった<効かない薬でしょう。

最近のアメリカの統計によると、アメリカでは年間三十万人が薬の副作用で亡くなってアメリカの死亡率のトップは薬の副作用です。少し前まで十万人といわれていました。ものすごい勢いで増えているのです。日本はその数を発表していませんが、アメリカで起こっていることが、日本で起こっていないわけがない。薬に副作用があるのは、ほほ間違いありません。

中略

眉間にシワを寄せているより、笑顔のほうが自分が気持ちいいし、まわりも気持ちいい。
「笑う門には福来る」といいますし、中国には「一笑一若」という言葉があります。一回笑うと、一つ若返る。西洋では、「笑いは最良の薬」といわれてきました。医者はそんな話を信じていなかったのか、それを科学的に裏づけるデータは極端に不足しています。

しかし、小さなことにくよくよしないで明るく前向きに生きる姿勢が、悪い遺伝子をオフにし、
よい
遺伝子をオンにして、健康や幸福につながっていくことはほぼ間違いのないことです。

楽しいから笑うのではない、笑うから楽しくなるのだともいいます。幸せになる秘訣は、幸せそうにしていることだともいわれます。そういう考え方が、肉体にもいい影響をもたらすのです。

育鵬社:幸せの遺伝子ー「ひらがな言葉」が眠れる力を引き出す!
*現在上画像の単行本は廃番ですが、扶桑社のオンデマンドペーパーバッグ、
    kindle版が発売されています。

No.5 『生きている。それだけで素晴らしい』

このHPをお読みくださっている方に村上和雄先生の本や講演録のなかから、いま、お伝えしたい
ことばをご紹介してまいります。

最近はコロナのことばかりが話題ですが、がんは相変わらず日本人の死亡原因の一位です。
がんの統合医療において、免疫療法などの先駆的治療に取り組まれている阿部博幸先生と
村上和雄先生の共著、「生きている。それだけで素晴らしい」 PHP研究所 からの抜粋です。

第一章 心が幸せを呼ぶ、より

生き方を変えれば末期ガンも治る

村上 日頃の生活の中に笑いを取り入れていければ幸せになれる。笑うためには、感動する、
好きなものを見つけるといったことが大切です。
形だけの笑いだけではなく、心からの笑いが大切ですね。
遺伝子というのは心で動くんですね。笑いと糖尿病の実験で感じたのは、同じ漫才を聞くのでも、さめた気持ちで聞いている人、あまり面白がらない人は血糖値があまり下がらなかったですね。
だから逆につまらない講義でも面白がれば、血糖値は下がるでしょう。

阿部 つまらない講義や面白い漫才が遺伝子のオン/オフを決めるのではなく、それを受け止める心が、オン/オフを左右しているということでしょうね。

村上 心というのはとらえどころがなくて、なかなか科学にはならなかったのですが、遺伝子を
介在させると、科学的に説明ができそうです。
先生が専門でやっておられるガン治療も、気持ちが非常に重要だと思います。先ほど、気持ちの
もち方でガンの経過が違うとおっしゃいましたが、具体的にはどんな例がありますか。
ガンという言葉を聞いて、それだけで滅入ってしまっている人なんか、治りにくいんでしょうね。といって笑っているわけにはいきませんからね。

阿部 そうですね。ガンと聞いて笑えれば一番いいのでしょうが、なかなかそうはいきません。
大体、落ち込んでしまいます。
傾向として、もう頭の中がすべてマイナスになっている人は免疫力が上がりにくいですね。お先
真っ暗だと、ネガティブになっている。いくら「あなたよりもはるかに進行したガンの人がこんなによくなっていますよ」と言っても、私は違う、ダメだと思い込んでいる人は、決して治るという方向にアンテナを向けないですね。
逆に、前向きの人は驚くような結果を出しています。

例えば、私の印象に残っている人では、卵巣ガンの患者さんですが、卵巣ガンというのは、生殖
細胞ですからなかなかやっかいで、かなり治療が難しい。
そのうえ、その女性は、経済的にも余裕がない状態だったので、治療法も限られてきます。
ところが、彼女はたまたまガン保険に入っていました。余命六カ月以内なら保険が下りるという
わけです。

地元の病院では、半年以内だという診断が出されていたことがわかりました。いいのか悪いのか
わかりませんが、彼女は保険金が入ったのをラッキーとばかりに喜んで、その保険金を私の治療法に全部使いたいと言うわけですよ。
先ほども申し上げましたが、私のやっているNK細胞療法というのは、自分の血液の中からNK細胞を取り出して体外で10億個にまで増やし、活性化させてから体内に戻すという治療法です。効果はかなりありますが、費用も決して安くないし、もちろん100パーセント成功ということではないですから、とにかくやってみたいと、目をきらきらさせて言うわけです。

これはいけるかもしれないという感覚はありました。しかし、余命半年以内というのが現状です。それも卵巣ガン。予断は許さない状態であることには変わりありません。ステージでいえば4期ですから。

ところが治療を始めて、宣告された六カ月はとうに過ぎてすっかり元気になった。今では息子の
ために料理屋を開くというので張りきっています。食材の調達に海外まで出かけて行くくらいで、とても余命半年だった人とは思えません。腫瘍マーカーも劇的に下がってきていますしね。心の
もち方一つ、それと目標をもつ、夢をもつということの大切さを教えてくれた患者さんです。

村上 それはすごい話ですね。ふつう、患者さんにしてみれば、できれば手術なんかしたくないし、薬も飲みたくないわけですよ。でも、今の医療は、それ以外のメニューがないから、患者さんも仕方なく受けるしかありません。西洋医学は進歩したと言われているし、実際に進歩していますが、それでもなぜか病気は治らない。医療費が増えるばかりですよね。

何でだろうと思うんだけど、やっぱりこれは心の問題が抜けているからではないかと、笑いと
遺伝子の研究をやっていると、そう考えざるを得ないですね。
心や感情が遺伝子のオン/オフをコントロールして、それが、病気が治るとか治らないに大きな
影響を与えているのだと思いますね。

阿部 ある胃ガンの患者さんも、まず自分がガンであることをしっかりと受け止め、「俺はガン
なんだ」と自分に言い聞かせ、次に「絶対に治すぞ」と心に決めました。さまざまなサプリメント、食餌療法、それから温泉にも行って、徹底的にガン治療をしています。この人には、自分で
治すんだという信念みたいなものを感じました。そうしたらガンの進行がピタッと止まってしまったのです。
陽気で前向きで、まだやることがあるぞという人は、いい結果が出ていますね。

村上 ガンになることで、価値観が変わってくるんでしょうね。生き方やものの見方が変わってくるのでしょう。

環境を変えると眠っている遺伝子をオンにすることができます。 思ってもみなかった能力が発揮されたりするわけですね。私も、アメリカに行って、いろいろな目覚めが起こりました。

でも、基本的に人間というのは、あまり変化したがりません。変化は不安定ですから、できれば
昨日と同じように平穏に今日も過ごしたいと思うわけです。

ガンという病気は、平穏な毎日に投げかけられた大変な波紋です。変化したくなくても変化せざるを得ない出来事です。

遺伝子が目覚めざるを得ない。問題はどんな遺伝子が目覚めるかです。アメリカヘ行ったとき、私はおかげで好ましい遺伝子がオンになって、想像もできなかった研究の発展があった。でも、例えば夏目漱石は、イギリスヘ行ったことでストレスをため、胃を壊してノイローゼ状態になってしまいました。好ましくない遺伝子がオンになったのでしょう。

変化が起こったとき、それをどう受け止めるかで、どの遺伝子がオンになるか決まってくる。ガンになった人が、気持ちのもち方で、その後の経過が違ってくるというのは、そんなことが影響しているのではないかと思いますね。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

【ホンのひとこと】

ガンという病気は、平穏な毎日に投げかけられた大変な波紋です。変化したくなくても変化せざるを得ない出来事です

村上先生は「前向きな心、陽気な心が良い遺伝子のスイッチをONにする」と言い続けてこられま
した。この本では、がんをずっと診てこられた阿部博幸医師との対談で、治癒していく人とはどのような人であるか、が語られています。つまり、生きることに対する向き合い方が、がんの治癒に大きくかかわっているというのです。
科学者と医師というサイエンス分野の二人が、科学や医学を超え、「生きる」ことについて語りあった一冊です。
今、世界に起きている大きな変化を、どのような気持ちで受け止めていくか。それによって未来はつくられる。ひとりの思いは偉大な力を持っていると感じました。

PHP研究所:生きている。それだけで素晴らしい~遺伝子が教える「生命」の秘密~

「アホは神の望み」電子書籍が今、50%オフです

前回ご紹介しました村上和雄先生の著書「アホは神の望み」がいま、サンマーク出版の電子書籍
ストアオープンセール
で、50%OFFで購入できるそうです。

現在「アホは神の望み」は文庫版が販売されていますので、なんと299円!で購入できます。11/21まで!) 詳細は下記URLをご覧ください。

https://ydm.sunmark.co.jp/

紙の本も大好きですが、電子書籍はいつでもどこでもスマホやタブレット、PCで読めますし、
断捨離をして本を増やしたくない方にも便利ですよね。そして最近、本を読むと目が疲れる、
という方でも、文字を大きくして読めるのが有り難いです。私は紙の本と電子書籍を使い分けて
います。

そして今なら「アホは神の望み」オーディオブックも50%オフの880で購入できるそうです。
こちらは、ナレーターが読んでくれる、耳で聴く読書。ラジオを聴くように、作業しながらでも
読書ができるっていいですね。
「オーディオブック」は様々な能力を高めるといわれています・・・と書かれていましたが、
確かに通常の読書とは違う脳部位を刺激するかもしれません。
詳細URLは下記です。

https://audiobook.jp/search?q=%E3%82%A2%E3%83%9B%E3%81%AF%E7%A5%9E%E3%81%AE%E6%9C%9B%E3%81%BF

さまざまな読書の形を選べる、良い時代です。

 

サンマーク出版

No.4 インテリの悲観論よりアホの楽観論

このHPをお読みくださっている方に村上和雄先生の本や講演録のなかから、いま、お伝えしたい
ことばをご紹介してまいります。

2008年に出版された「アホは神の望み」(サンマーク出版)からの抜粋です。異色のタイトルも、
ですが、私は装丁がとても好きです。夜明け直前の海かもしれません。水平線の空と海が淡いピンクから紫、ブルーのグラデーションを描いていて、もうすぐ日が昇る、という希望を感じます。

第2章 陽気であきらめない心 より

インテリの悲観論よりアホの楽観論

ときどき日本人ほど心配性の人種はいないのではないかと思うことがあります。世界トップの長寿国でありながら病気や健康の心配ばかりしている。世界にこれほど安全な国はまれなのに、近ごろは安心して町を歩けないなどと治安の悪さを嘆いている。

そういう心配がゼロというのではないが、これは顕微鏡で見るべきものを拡大鏡で見ているようなものです。つまり、一部の悪材料を必要以上に拡大解釈して、悩みの種を自分で広げている。なぜそうなのかを考えて、一つ思い当たるのは、悲観的なことは高尚めいて見える点です。ある事柄を肯定的にとらえるよりも、否定的にとらえるほうが、それについて深く考えているように見える。だから、インテリと称される人ほど悲観論をぶちたがるものです。

中略
病気の治る人とは病気を忘れてしまう人という説があるそうです。病気になると治そう治そう、治りたい治りたいとがんばる人がいますが、こういう人も病気に意識やエネルギーを集中させることでかえって病気にとらわれてしまい、治りにくいタイプに分類されてしまうというのです。納得できる話です。

反対に、すべき治療をしながら、その結果については「前向きに放棄している」人。プロセスに力を尽くすが、結果は天の意思に預けてしまう人。こういう人は病気に心をとらわれることが少ないので、そもそも病気になりにくく、また、治りやすいタイプなのです。

中略
プロローグで紹介したアップルのスティーブ・ジョブズは自分でつくった会社をクビになった直後築き上げてきたものをすべて失った気がして、しばらくの間は精神的にどん底をさまよったといいます。しかし、やがてアップルを追い出されたことは人生最良の出来事だったと感じるようになりもう一度、一から出直そうという気持ちを取り戻すことができたそうです。

その変化をジョブズは、「成功者であることの重みがビギナーであることの軽みに変わったから」と述べています。それまで構築してきたものを失ったことは大きなショックであったにはちがいないが、同時にそれは、自分の背中からよけいな荷物を下ろし、そのぶん自由度が増して人生をリセットすることにつながったというのです。

そして彼はピクサーという新しい映像制作会社を興し、生涯の伴侶となる女性とも出会い、ふたたびアップルヘ戻って傾きかけていた同社を再興させていくのですが、そうしたこともアップルをクビになっていなければ何一つ起こらなかった。だから、人生には「ひどい味の薬」が必要なのだとも述べています。

ここから学べるのは、ものごとは見方一つ、 とらえ方一つで重くもなれば軽くもなるということです。否定的に考えようとすれば、いくらでも否定的に考えられること、この場合は、持てるものを失ったことを「しがらみから自由になった」と肯定的に考えることによって、心のありようがガラリ一変して、前へ進む力になったのです。

人生における失敗やつまずきはたしかに「ひどい味の薬」といえます。しかしそのことを、「薬であるにせよひどい味だ」とネガティブにとらえるか、「ひどい味だが薬にはちがいない」とポジティブに考えるかで、失敗から得るものもずいぶん違ってくるはずです。

楽観論は悲観論より「アホ」かもしれないが、人生を強く生きるためのダイナモとしては悲観論
よりよほど強力なものなのです。

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【ホンのひとこと】

スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で述べた有名なスピーチのなかに、
「 Stay hungry , Stay foolish 」
という言葉があります。
「アホは神の望み」は、
この言葉にインスパイアーされたのではないでしょうか。

ジョブズのスピーチ↓も合わせて読んでみてください!!

スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式スピーチ 2005 – Stay hungry, Stay foolish.
貪欲であれ、愚直であれ。(翻訳:小野晃司)
http://sago.livedoor.biz/archives/50251034.html

サンマーク出版:「アホは神の望み」

No.3 新しい生き方のヒント「新3S」

このHPをお読みくださっている方に村上和雄の本や講演録のなかから、
いま、お伝えしたいことばをご紹介してまいります。

最新作で遺稿となった「コロナの暗号」からの抜粋です。

新しい生き方のヒント「新3S」

「3S政策」という言葉をご存じでしょうか。第二次世界大戦後、アメリカが戦後の
日本を骨抜きにしようと考えたといわれる政策です。
3Sは、Sports (スポーツ)、
Screen (映画)、Sex (セックス)のことです。
国民が社会不安や政治のことに目を
向けないように、こういう娯楽や欲望で誤魔化
してしまおうというものです。

この政策とは逆に、私はいま、日本の国力を高めるための「3S」を提唱しています。
村上版「新3S」は以下のとおりです。

・Science  サイエンス = 科学

・Spirituality  スピリチュアリティ = 霊性

・Sustainability  サスティナビリティ = 持続可能性

サスティナビリティとは平たくいえば、環境やエネルギー問題を考えて、「よいもの
を長く使うライフスタイル」といった意味です。

この三つの考え方は、いままでにも理論としてはありましたが、サイエンス以外の
二つはあまり重視されてきませんでした。それぞれが相互に関係を持って機能する
こともありませんでした。

もともとサイエンスとスピリチュアリティは、科学と宗教性という対立的な概念
として捉えられていましたし、サスティナビリティは大量消費の使い捨て社会の
中でほとんど目を向けられていませんでした。

しかし、これからはこの三つのSがあらゆる社会システムの基盤として認識される
ことが必要ではないでしょうか。

まず、サイエンスですが、広島や長崎の悲劇も、チェルノブイリや福島の原発事故
も、科学には大きな責任があります。科学が、原子力という想像を絶するエネルギー
を発見したがために、人類を危機に直面させる事態となったのです。

しかし、だからといって科学を否定することはできないと私は思っています。
科学は、「生命はどこからきたのか?」「宇宙はどうやって誕生したのか?」という、
人類がずっと持ち続けてきた根源的な問いに立ち向かっています。

私はむしろこれからは、いままで分からなかった、見えなかったスピリチュアル
の分野が、科学の進歩によって明らかになっていくのではないかと思います。
スピリチュアリティは科学である、という時代に向かっていくでしょう。そして
サスティナブルな世界もまた、科学によって実現していくものだと思います。

ですから、戒めなければならないのは、科学が一握りの人の利益のために使われたり
独占されたりすることです。科学とは人類の幸福のためにあることを、改めて肝に
銘じなければなりません。

■2021年 幻冬舎 村上和雄 『コロナの暗号』227-229Pより引用

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【ホンのひとこと】

いま、世界は大きく変化していると多くの方が感じているのではないでしょうか。
そのきっかけがパンデミックであることは異論がないと思います。ですが、ポスト
コロナの時代はどのようになっていくのか、渦中にいる今はだれにもわかりません。

村上先生は「これから私たちがどのような社会を作っていくか」についてのヒントを
この本に残してくださいました。

幻冬舎:「コロナの暗号」

No.2『リト』 山元加津子 村上和雄

 『リト』の作者である山元加津子さん(かっこちゃん)は元特別支援学校の教員です。
ドキュメンタリー映画『1/4の奇跡~本当のことだから~』をご覧になった方も
いらっしゃるでしょう。この映画には村上和雄先生も出演しています。

かっこちゃん講演録「みんな生まれてきた意味がある 大好きが起こす奇跡」
生命尊重ニュース(*1)掲載の抜粋をご紹介します。

村上和雄先生との出会い

私は小さい時、変わった子と言われ、運動がひどく苦手でお友達と全く遊べず、
かくれんぼをしていると、周りに大好きな虫や葉っぱがあって、隠れていることを
すっかり忘れてしまう子どもでした。

小学1年の時に、葉っぱの裏にミミズがいました。うんちが土っぽいなと思って
舐めてみると、土だったのです。すごく嬉しくて、わかったと思うと、涙が止まらなく
なりました。双子の妹は何でもできるのに、私はいつもボーっとしているダメな子なんだ
と思っていました。ゾウは大きくて偉い、キリンは背が高くて偉いと思っていたけれど、
ミミズを偉いと思った事はありませんでした。ところが、ミミズがうんちをしたら土に
なっていた。土から芽が出て食べるものができたり、木が育つんだとわかった時、ミミズ
って偉いんだ!と思いました。世の中は平らかで、私は私でいいんだな、と思えたのです。

中学生の時「受精卵が2つになって4つになって同じものがどんどん分かれていくのに、
どうして目や手になっていくんですか」と質間しました。先生は「そんなことは考え
なくてもいい」と言われました。
そしたらなぜか、村上先生の冊子が私の手元に届いたのです。そこには「目は目になる
ように
設計図が書かれてある、全部大丈夫なように作られている。全部授かった命、
とても大切で
いらない人なんて誰もいません」と書いてありました。とても勇気の出る
言葉で、光輝くお星さまのような文章でした。私は嬉しくてしかたなかった。当時、周りの
お友達は郷ひろみさんが好きな時代に「かっこちゃんの憧れの人は誰?」と間かれると
「村上和雄先生」と答えていました。その先生がなぜかわかりませんが、私と雪絵ちゃんが
出ている映画に監督さんが呼ばれて出ておられたのです。一緒の舞台挨拶で私が養護学校の
子どもたちの話をしたら、村上先生は涙をポロポロ流され、涙をふいた鼻紙を渡されました。
それも大事すぎて私には捨てられません。

『リト』は遺伝子をONにする
『リト』を読まれた2人の方からのメールを紹介します。最初は、中学生のはなちゃんと
いう方からです。

「はじめまして、はなです。学校で、友逹に、はなの声って変わっている、変、と
言われたことがきっかけで声が出なくなり、私の声が気持ち悪いと思うのをやめら
れなくなりました。学校も全く行けず、両親と話すのも怖くて部屋から出られなくなり、
病院では精神的なものだと言われました。そんな時、担任の先生が『リト』という本を
プレゼントしてくれました。『リト』を読み終わった時、私はお腹の底か胸の辺りから
声がこみあげてきて、これまでウゥッて何度も声を出そうとしても出なかったのに、
止められない程大きな声がいきなり出て大泣きしました。私は昨日までは死にたいとまで
考えていたのに、今は特別支援学校の先生になりたい、でも村上先生のような生命学者も
いいなと考えるようになりました。私の中にも大きな力がある、と心から納得できました。
昨日学校へ行くと、みんながはな、はなと私の名前を呼んでくれて、以前と同じような
関係で話すことができて楽しかったです。私は前とは違います。『リト』が私を強くして
くれたから。私の遺伝子スイッチがONになったんだと思います。有難うございました」

もう一つメールを紹介します。

「『リト』を読み進める内に、50歳間近の男である私が、涙を堪えることができません
でした。読み終えた時、私は読む前の自分と全く違う自分になっている事に気がつき
ました。コロナの為に仕事を失い貯えも底をつき、やがて家賃さえ払えなくなることに
怯えた私は、自暴自棄になっていました。『リト』を読み終えた途端、私はまだやれる、
コロナをチャンスに新しい事にチャレンジしようと思ったら色々なアイディアが浮かんで
きました。きっとうまくいくと思ったら、喜びや生きている命の感覚が溢れてきました」

今、コロナでお仕事が大変な方が沢山いると思います。でも村上先生は、私たちの遺伝子は
沢山のOFFがあって、ONになっていない所がいっぱいあるよ、と教えて下さいました。
すごい天才で優秀な人と、何もできないと思われている方の間にも差異がない。どこかを
ONにすれば変わっていけると教えて下さいました。

村上先生は『リト』に寄せて「新型コロナウイルスの出現は、母なる地球に無理を強いて
きた人間へのサムシング・グレートのメッセージです。地球規模で互いに助け合うことを
人類に促しているのかもしれません。人類が進化するためにこのピンチは最大のチャンス
です」と書いて下さっています。

■『生命尊重ニュース』2021March Vol.38 No.434より抜粋
(*1)生命尊重センター 月刊誌 http://www.seimeisontyou.org/news.html

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【ホンのひとこと】
かっこちゃんが、村上先生の伝えたいことをとても素敵な物語に紡いでくださいました。
『リト』の帯には

かっこちゃんがファンタジーで伝える「サムシング・グレート」の世界
私たちは大丈夫。
と書かれています。
ファンタジーだからこそ、ひとのこころの深いところに、真直ぐ届くのかもしれません。

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右は愛蔵版フリガナ付き

出版社 : モナ森出版 https://eiga377.wixsite.com/monanomori/blank-8

No.1 「遺伝子をONにできるひと、できないひと 」

このHPをお読みくださっている方に
村上和雄の本や講演録のなかから、いま、
お伝えしたいことばをご紹介してまいります。

代表作である「生命の暗号」からの抜粋です。

遺伝子をONにできるひと、できないひと

人間の遺伝子のうち解明された遺伝子はまだわずかです。これら遺伝子が、
A、T、C、Gの四つの化学の文字で表わされる三十億の情報をもとに
細胞をはたらかせるのですが、実際にはたらいているのはわずか五%程度
とみられ、そのほかの部分がどうなっているのかはよくわかっていません。

つまり、まだOFFになっている遺伝子が多いのです。心のあり方で遺伝子の
はたらき方が違ってくるのは、人間の遺伝子のほとんどがOFFになっている
ことと関係があるのかもしれません。私はこのわかっていない遺伝子のなか
にも、心と強く反応する遺伝子があるのではないかと思っているのです。
心そのものは遺伝子に完全には支配されませんが、心が体に命じて何かを
実行するためには遺伝子のはたらきが必要なのです。
では幸せをつかむために、私たちは遺伝子をどうはたらかせればよいのでしょうか?
それは日常生活をはつらつと前向きに生きることだと考えています。
「イキイキ、ワクワク」する生き方こそが人生を成功に導いたり、幸せを
感じるのに必要な遺伝子をONにしてくれるというのが私の仮説なのです。

・・・中略・・・

最近は、「ダメ」を前提に考えて生きている人が多いように思います。これは
遺伝子からみるとけっしてよい生き方とはいえません。「食べすぎはダメ」
「飲みすぎてはいけない」「タバコはやめるべきだ」「塩分は少なめに」
「もっとやせなければ」「栄養に気をつけて」。実はこういうのは
「反遺伝子発想」だといってよいでしょう。

なぜなら、こういう規制のほとんどは統計的な話で、個人個人にとってそれが
本当に正しいかどうかはわからない。たとえば、体脂肪率が二五%以上あることは
すべての人にとって本当にわるいことなのか、実はまだよくわかっていないのです。

タバコを吸うと肺ガンになるといわれていますが、一方でヘビースモーカーで
肺ガンにならない人もけっこういるのです。統計的な話として聞いている分には
正しいが、すべてが自分に当てはまると思ってそれにこだわりすぎると、遺伝子
にはマイナスの影響を与えてしまいます。

この辺のことは、遺伝情報がすべて解明できればはっきりしますが、処方箋は
一人ひとり違うと思うのです。極論になるかもしれませんが、本当に好きなら、
他人に迷惑をかけないかぎりタバコをやめなくてもいい。飲みたいお酒は飲めばいい。
食べたければ食べればいいのです。
少々遺伝子に悪影響があっても、最終的に病気にならなければいいのです。
ガンだって共存できる方法があります。要は不必要な遺伝子はできるだけOFFにして
眠っていてもらい、いい遺伝子をONにしてたくさんはたらいてもらうこと。
その生き方の鍵をにぎっているのが「ものの考え方」だということです。

このような考え方を、私は「遺伝子発想」と呼びたいと思います。遺伝子を上手に
コントロールして生きてほしいのです。

■1997年 サンマーク出版 村上和雄 『生命の暗号』30-33Pより引用

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【ホンのひとこと】

コロナ疲れが日本中蔓延し、何もかも自粛、人と会うこともできず、
行動や考えの最初に「コロナだから・・・」と思ってしまう、そんな
毎日になっていないでしょうか。

「コロナにかかったらどうしよう」と、恐怖でガチガチになることは、
「反遺伝子発想」だと思います。それではたとえコロナにかからなくても、
幸せに生きることから離れてしまうでしょう。

ふ~っと息を吐いて、「好きなことを考えて、好きなことをしよう!」と
「遺伝子発想」で生きることをオススメしたいと思います。

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サンマーク出版:「生命の暗号」