こころじ~んブログ

新型コロナウィルスの出現はサムシング・グレートからのメッセージ

昨年4月に緊急事態宣言が発出され、その後5月下旬に解除になり、今年の初めにまた首都圏を中心に緊急事態宣言が発出、今も一都三県で継続中です。

この間テレビでは毎日PCR検査の陽性者数を感染者数のように報道し続けて、結果的に人の恐怖心を煽っていたように思います。PCR陽性者、感染者、発症者はきちんと区別されなければいけませんが、いまだに同様の報道が続いていると思います。

今「コロナに負けない」とか「見えない敵」と表現され、まるで人類はウィルスと戦争しているかのように感じている人も多いと思いますが、これは世界中で行われているプロパガンダではないでしょうか。

昨年の「致知」7月号に掲載されました「新型コロナウィルスの出現はサムシング・グレートからのメッセージ」では、ヒトはウィルスによって今のように進化したことが述べられています。以下抜粋です。

ウイルスとヒトとの共生

私たちのゲノムの中にはウイルスやその関連因子に由来する配列が多数存在しておりそれらを利用して、私たちはヒトへと進化したことが分かってきました。

二〇〇〇年、科学雑誌『ネイチャー』に驚くべき研究が掲載されました。胎盤形成に必須なシンシチンというタンパクが、ヒトのゲノムに潜むウイルスの遺伝子に由来することが発表されたのです。

胎盤の形成やその機能の発現にはこの内在性ウイルス遺伝子の発現が必須であり、その機能の一つが母体の免疫による攻撃から胎盤内の胎児を保護する免疫抑制機能なのです。哺乳類はこのウイルスの遺伝子を自身のゲノムに取り込むことにより、子孫を母親の胎内で育てることが可能になったのです。つまり、私たちのゲノムが進化のために突然変異したのではなく、ウイルスと共生することで進化したと考えられるのです。

その中にはヒトの脳の神経細胞の形成に必要なゲノムや、遺伝子のオン・オフに必要なゲノムもあります。ヒトのゲノムの中の一・五%程度が遺伝子であり、その他の非コード領域の四十五%ほどがウイルス由来のゲノムだというのは驚きではありませんか。

つまり、私たちはゲノムの中にウイルスを取り込んで共存することにより、現在のヒトとして進化したと言えるのです。

 

村上はこの事態に対してウィルスとの共生、地球全体での助け合いと利他の心の発動を呼びかけています。以下抜粋です。

 

こうした世界的危機に、いったいどのようなサムシング・グレートの思し召しがあるのか私には分かりません。ただ、私なりに思うことはあります。それは未知の感染症の伝播という万が一の事態は、国や民族を超えた人類全体の〝大節〟であり、地球規模の協力体制が整わなければ対応できないということです。

「ピンチはチャンスだ」と何十年も言い続けてきましたが、人類が進化するためにこのピンチは最大のチャンスであると思います。それは何よりも一人ひとりの意識を変えることによって可能になると強く信じています。かつてジャック・アタリ氏はその著書の中で、混乱した世の中に「トランスヒューマン」というべき人類全体のことを考えられる超エリートが出てくることを期待していました。

しかし、いま私は一人のスーパーマンが出てきて世界を救ってくれることに期待していません。そうではなくて、人類一人ひとりの意識が変わり、それが大きなうねりのようになった時に、世界が変わるのではないかと思うのです。

では、私たちの意識をどのように変えればいいのでしょうか。アタリ氏は、共感や利他主義が人類を救うカギになると言います。

「利他主義は合理的利己主義にほかなりません。自らが感染の脅威にさらされないためには他人の感染を確実に防ぐ必要があります。利他的であることは、ひいては自分の利益となるのです。  また、他の国々が感染していないことも自国の利益になります」と述べています。

アタリ氏は利他主義とは最も合理的で自己中心的な行動であるというのです。私は、人類は必ず互いに助け合う道を選ぶと信じています。

だが、人類が新型コロナウイルス禍を何とか克服したとしても、いままでの私たちのあり方を百八十度変えない限りこれで終わりということにはならない、と思えるのです。再び未知なる脅威が人類にメッセージを届けてくるでしょう。

いま私たちにできることは、まずは自分自身の免疫力を上げることです。そのためにも心配や恐怖という感情に支配されてしまわないことが大切です。ネガティブな感情は私たちの免疫力を著しく損ないます。これは科学的な証拠があります。そして周りの人々と励まし合い一番困っている人たちを支援することです。

情けは人のためならず、という言葉があります。人を助けて我が身助かる、という意味です。この世の生きとし生けるものは、命の連鎖という守護のもとに生かされています。そのひと繋がりの輪の中に人間もいるのです。

いま人類はかつてない変革の時にあるといえます。この時代に命を得て生かされている私たちは幸いであることを忘れないようにしたいと思うのです。

日本人の「利他的遺伝子」 『致知』第二十一回生命科学研究者からのメッセージ

人間には誰かの幸せや喜びのために生きようという「利他的遺伝子」が備わっているというのが村上和雄の持論です。

 二〇一九年の一二月アフガニスタンで医療や人道支援に尽力していた「ペシャワール会」代表の中村哲医師が、現地で銃撃されて亡くなりました。享年七十三歳、志半ばでの悲報でした。一九八四年、ハンセン病の根絶のプロジェクトに参加した中村医師は、その後、診療所を開設して現地の医療に貢献していました。やがて彼は「医療よりもまず水だ」と医療活動を超えた復興支援を決断し井戸掘りを始め、二〇〇三年からは「百の診療所より一本の用水路を」と、用水路の建設に挑みました。しかし、彼らの人道的支援活動に対する脅しが激しくなり、彼は日本人スタッフを全員帰国させ、たった独りで現地に残りました。

命を使うと書いて「使命」といいます。中村医師の活動はすべて医療が原点ですが、医師としての活動を遥かに超え、まるで与えられた使命を果たすかのように行動し続けました。

彼の生き方は、アフガニスタンの人々と多くの日本人の「利他的遺伝子」をオンにした、と村上はいいます。

一方、この三月で東日本大震災から十年が経ちます。あのときこの国を覆っていた重い空気を、今でもありありと思い浮かべることができる人は多いのではないでしょうか。あの震災は日本人にとって忘れられない辛い経験です。しかしながら、あの頃私たちは何度も「絆」という言葉を聞き、心の中で繰り返していたのではないでしょうか。

台湾の『看雑誌』には、次のような記事も紹介されています。「大地震の発生後、日本国民は乱れることなく冷静さを保ち、マナーのよさは日本社会のよさを表し、他国で見られがちな混乱や秩序のなさ、強奪といった問題行動は一切見られなかった。危機のなかにおいて、法に従い、秩序を守る気高さこそが、日本人のすばらしい国民性をより顕著に表していた。これは、国際メディアがこぞって絶賛している点である。(中略)いったい、どんなパワーが日本人のこういった高度な秩序と自制力を成しえるのだろうか」

 日本人同士で日本人はすごいと褒め合っても説得力がありませんが、こうやって外国の方が感嘆の声を上げてくださると、私たちは自分たちが日本人であることに喜びを感じることができます。    私たちは日本人として、もっともっと胸を張って歩いていいのです。先の震災は、本当に悲しい出来事でしたが、その半面、日本人の素晴らしさを引き出してくれたのではないでしょうか。人間というのはこんなに温かかったのだと思えることが、震災後には山ほどありました。人間が持っている利他的遺伝子が、震災という大きな刺激を受けてONになったことで、そういう感動がたくさん生まれたのです。

 私は、震災によって多くの日本人の利他的遺伝子がONになったと思います。その出現の仕方に違いはありますが、少しでも人の役に立ちたい、社会のためになりたいと誰もが考えたはずです。そして、日本という国が、利他の心を目覚めさせていく大きなきっかけとなったのではないでしょうか。できることなら、こういう大災害が起こった時ばかりではなく、どんな時でも、利他的遺伝子をONにしていければ素晴らしいと思いますが、災害にも様々な側面があることを私たちは教えられました。

ちょうど1年前の「致知」に掲載されたメッセージですが、現在新型コロナという災厄に見舞われている私たちにとって、どう生きていくのか、を改めて考えさせてくれると思います。