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脳は生涯にわたり発達し続ける 産経新聞「正論」2014/9/26掲載

脳は生涯にわたり発達し続ける 筑波大学名誉教授・村上和雄
2014.9.26 05:02[正論]産経140926

黄金期を迎えつつある脳研究によって、私たちが従来教えられてきた脳に関する常識は、次々と破られてきた。

例えば、傷ついた脳が自然に治ることはないという通説は誤りで、脳神経細胞は環境に応じて再配線できる。

さらに運動、精神的活動、社会的なつながりが、神経細胞の発展を促すといった事実が判明した。従って、脳の働きは決して固定的なものではなく、作り替えが可能である。以前なら思いもよらなかったような驚異の治癒力が脳に備わっていることが分かった。

《脳の働きを制御するのは心》

脳から全身の細胞に指令が出ているから、脳は身体を動かすリーダーのように見えていた。しかし、決してそうではなかった。

脳を動かしているのは、自分の心であり、意識だ。脳はテレビやラジオの受信機のようなものであり、心や意識が真の創造者である。脳は私たちが「できる」と思っていることしかできない。逆にいえば、「できない」と考えていることはできないのだ。

このダイナミックでしなやかな脳の働きは、遺伝子の働きに関する最近の研究とよく符合する。

ヒトの全遺伝情報(ゲノム)の解読以前は、DNAは生命の設計図であり身体の働きを支配していると考えられていたが、事実は違っていた。

DNAは単なる設計図にすぎず、それも環境によって書き換え可能な設計図である。従って、生命はDNAに支配されていなかった。それでは、生命を支配しているのは脳か? そうではない。

脳は、前に述べたように情報の受信装置のようなものであり、受信装置そのものが歌ったり、考えたり、ドラマを制作したりするものではない。

真の制作者は、DNAや脳ではなく「人間の意識」であると考えざるを得ない。そして、生命の真の創造者は、人間の意識をも超えた大自然の偉大な働き「サムシング・グレート」だといえる。

《脳には無限の可能性がある》

心身医療の分野で世界のリーダーであるディーパック・チョプラ博士は、身体と心を統合的に癒やす独自の理論を展開して成果を上げている。彼は米誌タイムによる「20世紀の英雄と象徴100人」にも選出されている。

ごく最近、チョプラ博士と対談する機会があった。彼の考え方は、私どもが「心と遺伝子研究会」で10年にわたり研究し、発見した実験結果や考えに驚くほど近いことが分かり、今後、情報交換しようということになった。

博士の近著「スーパーブレイン」(ディーパック・チョプラ、ルドルフ・E・タンジ共著、保育社)の翻訳にも携わり、多くのことを学んだ。博士は次のように述べている。

慢性病は意識がつくり出している。怒りや恨みや憎しみなどの感情を持つと、それが悪い遺伝子を活発にしてしまい、ガンや心臓病の原因となる炎症を起こす。一方、喜びや愛、他人の成功を喜ぶという感情を持つと、良い遺伝子が活発になり、身体は病気にかかりにくくなって、肉体年齢も若返る。脳には心と身体と外界のバランスをとる自己制御装置があり、これを上手に使うことによって、素晴らしい人生を築くことができる-と。

脳に使われるのではなく、脳を上手にコントロールして使うことが肝心だ。そのためには、固定観念を捨て去り、柔軟性を持ってリラックスすること、素直であること、心配しないことなどが大切である。そうすることにより、あらゆる局面を切り開くことが可能になる。

身近なところでは、なかなかできないダイエット、振り払えない心の傷、仕方がないとあきらめていた体力の減退、脳の老化にかかる認知症や鬱病まで克服できる可能性がある。

《遺伝子のオンとオフで進化》

脳は現在も環境や心と相互に作用しながら進化を続けている。今や、ヒトの全遺伝情報(ゲノム)とチンパンジーのゲノムを比較することができるようになった。

そこで判明したのは、ヒトにはあるもののチンパンジーにはないという遺伝子は一つもないということだ。では、ヒトとチンパンジーのゲノムはどこが違うのか。それは、タンパク質をコードする配列ではなく、遺伝子のオンとオフに関与する配列にあった。

脳は固定的で、機械的で、確実に衰えていくものだと思われていた。しかし、実際の脳の姿は全く異なることが分かっている。この瞬間も私たちの脳は変化を続けており、新しい現実を生み出している。

人は心の持ちようを変えることによって、遺伝子のオンとオフを切り替えれば、一生涯進化できる可能性がある。

一般に、頭がいい人と悪い人がいるといわれているが、脳そのものにはいい、悪いの区別はない。使い方によって、良くなったり悪くなったりする。脳を上手に使えば、思いは必ず実現する。(むらかみ かずお)

(下記産経新聞のウェブページです)

http://sankei.jp.msn.com/science/news/140926/scn14092605020002-n1.htm

村上和雄 中外日報「提言」⑤

今日は中外日報「提言」⑤2014年6月4日掲載分(最終回)です。

朝夕秋の気配がしてまいりましたが、なにより今年は大雨の影響が深刻です。夏の夕立のような風流なものではなく、局地的に短時間に滝のように雨が降るというのは、私が小さいころには経験がありません。地球規模で気候もどんどん変わってきているようですね。

大きく変わる環境の中で人は変わらないものを求めているのかもしれません。

中外日報140604「提言」

村上和雄 中外日報「提言」④

中外日報140521「提言」

お盆も過ぎ朝夕涼しくなってまいりました。この時期はいのちについて

思いを馳せる機会が多くなりますね。

今日は中外日報「提言」④2014年5月21日掲載分です。

 

産経新聞「正論」の村上和雄のオピニオンです

産経新聞「正論」の村上和雄のオピニオンです。

和食が語る日本文化の「遺伝子」 筑波大学名誉教授・村上和雄
2014.2.18 03:11 (1/4ページ)[正論]

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された和食について考察したい。

日本食が健康に良いことは以前から認められていた。米上院農林委員会は、3年間にわたって調査した結果、文明先進国の生活習慣病は不自然で間違った食生活にあるとマクガバン報告書で結論付けるとともに、国民に食事改善を呼びかけ、日本型の食生活を理想的な手本として取り上げた。

≪あるがままの状態で食べる≫

日本食の中心はコメである。コメは、低カロリーであるだけでなく、タンパク栄養的にもすぐれている。日本人は、コメだけでなく大豆食品(豆腐、納豆、みそ汁など)を一緒に摂取する。この組み合わせが絶妙で、両々相俟(あいま)って不足する必須アミノ酸を補い合い、それが牛乳や肉のタンパク栄養価に匹敵する。日本人は明治以前にはほとんど肉を食べてこなかったが、コメと大豆を一緒にとることにより肉を代替してきた。

日本食ではコメ以外に魚、野菜、海藻などを多く摂取する。土と海から採れたものが食物全体の85%で、動物が15%という食事バランスが最善だとされる……続きは下記URLで!

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140218/trd14021803110001-n1.htm

 140218産経正論trd14021803110001-p1