こころじ~んブログ

新型コロナウィルスの出現はサムシング・グレートからのメッセージ

昨年4月に緊急事態宣言が発出され、その後5月下旬に解除になり、今年の初めにまた首都圏を中心に緊急事態宣言が発出、今も一都三県で継続中です。

この間テレビでは毎日PCR検査の陽性者数を感染者数のように報道し続けて、結果的に人の恐怖心を煽っていたように思います。PCR陽性者、感染者、発症者はきちんと区別されなければいけませんが、いまだに同様の報道が続いていると思います。

今「コロナに負けない」とか「見えない敵」と表現され、まるで人類はウィルスと戦争しているかのように感じている人も多いと思いますが、これは世界中で行われているプロパガンダではないでしょうか。

昨年の「致知」7月号に掲載されました「新型コロナウィルスの出現はサムシング・グレートからのメッセージ」では、ヒトはウィルスによって今のように進化したことが述べられています。以下抜粋です。

ウイルスとヒトとの共生

私たちのゲノムの中にはウイルスやその関連因子に由来する配列が多数存在しておりそれらを利用して、私たちはヒトへと進化したことが分かってきました。

二〇〇〇年、科学雑誌『ネイチャー』に驚くべき研究が掲載されました。胎盤形成に必須なシンシチンというタンパクが、ヒトのゲノムに潜むウイルスの遺伝子に由来することが発表されたのです。

胎盤の形成やその機能の発現にはこの内在性ウイルス遺伝子の発現が必須であり、その機能の一つが母体の免疫による攻撃から胎盤内の胎児を保護する免疫抑制機能なのです。哺乳類はこのウイルスの遺伝子を自身のゲノムに取り込むことにより、子孫を母親の胎内で育てることが可能になったのです。つまり、私たちのゲノムが進化のために突然変異したのではなく、ウイルスと共生することで進化したと考えられるのです。

その中にはヒトの脳の神経細胞の形成に必要なゲノムや、遺伝子のオン・オフに必要なゲノムもあります。ヒトのゲノムの中の一・五%程度が遺伝子であり、その他の非コード領域の四十五%ほどがウイルス由来のゲノムだというのは驚きではありませんか。

つまり、私たちはゲノムの中にウイルスを取り込んで共存することにより、現在のヒトとして進化したと言えるのです。

 

村上はこの事態に対してウィルスとの共生、地球全体での助け合いと利他の心の発動を呼びかけています。以下抜粋です。

 

こうした世界的危機に、いったいどのようなサムシング・グレートの思し召しがあるのか私には分かりません。ただ、私なりに思うことはあります。それは未知の感染症の伝播という万が一の事態は、国や民族を超えた人類全体の〝大節〟であり、地球規模の協力体制が整わなければ対応できないということです。

「ピンチはチャンスだ」と何十年も言い続けてきましたが、人類が進化するためにこのピンチは最大のチャンスであると思います。それは何よりも一人ひとりの意識を変えることによって可能になると強く信じています。かつてジャック・アタリ氏はその著書の中で、混乱した世の中に「トランスヒューマン」というべき人類全体のことを考えられる超エリートが出てくることを期待していました。

しかし、いま私は一人のスーパーマンが出てきて世界を救ってくれることに期待していません。そうではなくて、人類一人ひとりの意識が変わり、それが大きなうねりのようになった時に、世界が変わるのではないかと思うのです。

では、私たちの意識をどのように変えればいいのでしょうか。アタリ氏は、共感や利他主義が人類を救うカギになると言います。

「利他主義は合理的利己主義にほかなりません。自らが感染の脅威にさらされないためには他人の感染を確実に防ぐ必要があります。利他的であることは、ひいては自分の利益となるのです。  また、他の国々が感染していないことも自国の利益になります」と述べています。

アタリ氏は利他主義とは最も合理的で自己中心的な行動であるというのです。私は、人類は必ず互いに助け合う道を選ぶと信じています。

だが、人類が新型コロナウイルス禍を何とか克服したとしても、いままでの私たちのあり方を百八十度変えない限りこれで終わりということにはならない、と思えるのです。再び未知なる脅威が人類にメッセージを届けてくるでしょう。

いま私たちにできることは、まずは自分自身の免疫力を上げることです。そのためにも心配や恐怖という感情に支配されてしまわないことが大切です。ネガティブな感情は私たちの免疫力を著しく損ないます。これは科学的な証拠があります。そして周りの人々と励まし合い一番困っている人たちを支援することです。

情けは人のためならず、という言葉があります。人を助けて我が身助かる、という意味です。この世の生きとし生けるものは、命の連鎖という守護のもとに生かされています。そのひと繋がりの輪の中に人間もいるのです。

いま人類はかつてない変革の時にあるといえます。この時代に命を得て生かされている私たちは幸いであることを忘れないようにしたいと思うのです。

日本人の「利他的遺伝子」 『致知』第二十一回生命科学研究者からのメッセージ

人間には誰かの幸せや喜びのために生きようという「利他的遺伝子」が備わっているというのが村上和雄の持論です。

 二〇一九年の一二月アフガニスタンで医療や人道支援に尽力していた「ペシャワール会」代表の中村哲医師が、現地で銃撃されて亡くなりました。享年七十三歳、志半ばでの悲報でした。一九八四年、ハンセン病の根絶のプロジェクトに参加した中村医師は、その後、診療所を開設して現地の医療に貢献していました。やがて彼は「医療よりもまず水だ」と医療活動を超えた復興支援を決断し井戸掘りを始め、二〇〇三年からは「百の診療所より一本の用水路を」と、用水路の建設に挑みました。しかし、彼らの人道的支援活動に対する脅しが激しくなり、彼は日本人スタッフを全員帰国させ、たった独りで現地に残りました。

命を使うと書いて「使命」といいます。中村医師の活動はすべて医療が原点ですが、医師としての活動を遥かに超え、まるで与えられた使命を果たすかのように行動し続けました。

彼の生き方は、アフガニスタンの人々と多くの日本人の「利他的遺伝子」をオンにした、と村上はいいます。

一方、この三月で東日本大震災から十年が経ちます。あのときこの国を覆っていた重い空気を、今でもありありと思い浮かべることができる人は多いのではないでしょうか。あの震災は日本人にとって忘れられない辛い経験です。しかしながら、あの頃私たちは何度も「絆」という言葉を聞き、心の中で繰り返していたのではないでしょうか。

台湾の『看雑誌』には、次のような記事も紹介されています。「大地震の発生後、日本国民は乱れることなく冷静さを保ち、マナーのよさは日本社会のよさを表し、他国で見られがちな混乱や秩序のなさ、強奪といった問題行動は一切見られなかった。危機のなかにおいて、法に従い、秩序を守る気高さこそが、日本人のすばらしい国民性をより顕著に表していた。これは、国際メディアがこぞって絶賛している点である。(中略)いったい、どんなパワーが日本人のこういった高度な秩序と自制力を成しえるのだろうか」

 日本人同士で日本人はすごいと褒め合っても説得力がありませんが、こうやって外国の方が感嘆の声を上げてくださると、私たちは自分たちが日本人であることに喜びを感じることができます。    私たちは日本人として、もっともっと胸を張って歩いていいのです。先の震災は、本当に悲しい出来事でしたが、その半面、日本人の素晴らしさを引き出してくれたのではないでしょうか。人間というのはこんなに温かかったのだと思えることが、震災後には山ほどありました。人間が持っている利他的遺伝子が、震災という大きな刺激を受けてONになったことで、そういう感動がたくさん生まれたのです。

 私は、震災によって多くの日本人の利他的遺伝子がONになったと思います。その出現の仕方に違いはありますが、少しでも人の役に立ちたい、社会のためになりたいと誰もが考えたはずです。そして、日本という国が、利他の心を目覚めさせていく大きなきっかけとなったのではないでしょうか。できることなら、こういう大災害が起こった時ばかりではなく、どんな時でも、利他的遺伝子をONにしていければ素晴らしいと思いますが、災害にも様々な側面があることを私たちは教えられました。

ちょうど1年前の「致知」に掲載されたメッセージですが、現在新型コロナという災厄に見舞われている私たちにとって、どう生きていくのか、を改めて考えさせてくれると思います。

『致知』連載第十八回 特別対談 祈りは人を救う

「致知」連載第十八回・生命科学研究者からのメッセージは世界各地の異常気象に対する危機感を募らせるスヴェンソン会長の兒玉圭司氏と村上和雄が、人類が直面する現状と進むべき道、そして、祈りの力について共に語り合いました。

兒玉「2019年の1月、南半球のオーストラリアで気温が48℃まで上昇し、同じ日に北半球のロシアでは-57℃を記録したそうです。気温差は何と105℃です。要するに熱波と寒波、洪水と干魃という両極端な現象が地球という一つの惑星の中で加速度的に増発している」

「アメリカではこの2019年5,6月で50回以上も竜巻が発生して甚大な被害をもたらしていますし、インドは20年ぶりの大型サイクロンに見舞われて165万人が被害を受けました。」

村上「『地球に優しい』という言葉がありますね。これはとても傲慢な言葉だと私は思うんです。人間のほうが地球に守られて生きているわけですから、「地球に優しい」ではなく「地球が優しい」のです。けれどもその守護もそろそろ限界に近づいていて、人類がここで大きく発想を転換しなければ、「成長の限界」どころか「生存の限界」を迎える局面にあるのではないかと私は思っています。」

「二十世紀は科学技術の発達で人類の生活も随分豊かになりましたけれども、その延長で二十一世紀も突き進めば遠からず限界が来るでしょう。では、私たちはこの二十一世紀をどんな世紀にしていくべきか。私は、「命の世紀」にしていくべきだと思うんです。」

そして、兒玉氏と村上は祈りの力について語り合いました。

兒玉 「私は毎日、宇宙創造主様にお祈りをしているんです。宇宙創造主様というのは、すべての命の根源を私がそうお呼びしているもので、村上先生がおっしゃるサムシング・グレートと同じようなものです。お祈りの前にまず瞑想をするんです。12〜13秒かけて息を吸い、宇宙のエネルギーを体中に取り入れて丹田に溜めていきます。そして息を止め、心の中で、『私は毎日どんどん幸せになっていく。私は毎日どんどん健康になっていく。私は毎日どんどん活力が湧いてくる。心から感謝したありがとう』と唱え、13~15秒かけて体中の老廃物や嫌な思いが足の親指から全部出ていくのをイメージしながら息を吐きます。この呼吸法をしばらく繰り返した後、神棚へ向かって『宇宙創造主様、おはようございます。きょうも一日感謝の心を忘れず、生きる希望に溢れ、夢と感動を皆と共有し、感謝の心を忘れずに行動いたします。ご指導をよろしくお願い申し上げます」

中略…

そして美しい景色をイメージしながら、『地球さん、ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。人類と動植物が住める環境を与えてくださってありがとうございます。地球さん、大好きです。大好きです。大好きです。地球さん、感謝申し上げます。感謝申し上げます。感謝申し上げます』と唱えてお祈りを終えるんです。」

村上 「様々な異常現象も、サムシング・グレートからの試練のメッセージだと私は思うんです。『このままでは人類が滅びることを、早く気づいてください』と。そのメッセージを私たちはしっかり受け止め、人知を超えた存在に真摯に手を合わせる姿勢が求められているのではないかと私は思います。」

兒玉 「『クリティカルマス』というマーケティング用語があります。これはある商品やサービスの利用者が一定数を上回ると、普及率が一気に跳ね上がる現象を表す言葉なんです。いま村上先生がおっしゃったことも、たった一、二万人の人が意識するだけで、地球環境は劇的に改善されるのではないかと私は思います。」

「最後に行き着くところは愛ではないでしょうか。…すべては愛であって、愛こそが地球環境問題の克服に最も重要な意識ではないかと私は思うんです。」

村上 「おっしゃる通り、どの宗教でも共通して説いているのが愛だと私は思います。日本人は愛という言葉がピンとこないかもしれませんから、慈悲と解釈していただいてもいいでしょう。私たちはサムシング・グレートに生かされている存在であることを自覚して、あらゆるものに対して愛を持って接していくことが大事だと思います。」

兒玉 「人々の意識が高まり、愛という意識に人類全体が目覚めれば、地球環境は必ず改善されていくと思います。」

「祈り」はこの危機的な地球の状況を変えるためにひとりひとりが出来ることであり、大きな希望ではないか、お二人の対談からそう、感じました。(スタッフS)

ノーベル生理学・医学賞 本庶佑氏の偉業 『致知』連載第十七回 より

「致知」連載第十七回・生命科学研究者からのメッセージは2018年ノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学特別教授・本庶佑氏の研究にスポットを当て、がん免疫療法に寄せる期待と、「心と免疫の関係」について語りました。

本庶佑氏の研究をかいつまんで説明すると…

これまでのがん治療はがん細胞を攻撃することを中心に開発されていました。ところが、本庶氏が発見した免疫療法は、がん細胞そのものを攻撃するのではなく、がん細胞に出現するタンパク質(PD-L1)が、T細胞(病原体に感染した細胞を攻撃し破壊する)のブレーキ(PD-1)を踏み、免疫を抑制していることに注目したのです。

多くのがん細胞の表面には、T細胞にブレーキをかけるタンパク質が発現しており、T細胞ががんを攻撃しようとすると、がん細胞はT細胞の免疫反応にブレーキをかけて、逃れていることが明らかになりました。そこで本庶氏らはがん細胞より先にブレーキにくっつく人工的な抗体をつくり、がん細胞がT細胞のブレーキを踏めなくする方法「免疫チェックポイント阻害剤」を考案しました。そうすることでがん細胞に対するT細胞の免疫作用が抑制されず、がんが免疫反応から逃れることができなくなります。

現在、がん免疫療法では、本庶氏の研究を基に開発された治療薬「オプジーボ」をはじめとする「免疫チェックポイント阻害剤」が用いられていますが、効果が確認されている阻害剤でも、効く患者は二~三割と限定的であり、また、治療効果が表れる患者を事前に調べる方法も確立していません。

2020年4月京都大学大学院医学研究科附属 がん免疫総合研究センターが開設され本庶佑氏はセンター長に就任されました。この研究センターが、がん免疫研究・治療における諸課題を世界に先駆けて解決し、次世代がん免疫研究・治療を発展させることを期待しています。

こころと免疫との密接な関係

「がんが自然に治った」ということをよく聞きます。医師から言われた西洋医学の三大治療法(手術、放射線、抗がん剤)などを受けずに、自然にがん細胞が消失した例を耳にすることがあります。これは本当にそうなのでしょうか。

ここで大事なのは、自然に治るというのは、病気が発覚した時点の状態のまま、生活様式やこころのあり方を何も変えずにそのまま放っておいて治った、ということではありません。病気になった時、なぜ病気になったのか、自分の心の状態や身体の状態をきちんと正確に判断し、本来あるべき状態に戻す努力をした結果なのだと思います。

『がんが自然に治る生き方』の著者ケリー・ターナー氏は、余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちを調査研究し、彼らが共通で実践している九つを抽出しました。

①抜本的に食事を変える②治療法は自分で決める③直感に従う④ハーブとサプリメントの力を借りる⑤抑圧された感情を解き放つ⑥より前向きに生きる⑦周囲の人の支えを受け入れる⑧自分の魂と深く繋がる⑨どうしても生きたい理由を持つ

一つには食事、人間関係をはじめとする自分を取り巻く様々な環境を自ら変えているということです。二つ目は自分自身を内観して、自らの意志で行動するように変化しているということです。

治療者は自分であって、医療者はあくまでも補助。己のなすことは自分で決める。いかに生きるかいかに死すか(死生観)を考えることが大事なのだと思います。

私たちの脳は過去の経験や学習から答えを導こうとします。それは、あくまでも過去が反映しただけにすぎません。まだ真実でないこと(脳が勝手につくりだす未来)を真実と思い込んで恐れたりします。しかし、それよりも深刻なのは、恐れることによって自分がいま持っている力まで忘れてしまうことです。

私たちは生きる力を自分の中に備えています。未来は、自分自身で描けるということを常に忘れず、こころと免疫、そして身体は繋がっているということを信じることが大切なのではないでしょうか。

新刊のご案内「リト」山元加津子、村上和雄 著

村上と親交が深い山元加津子さん(かっこちゃん)が今、湧き上がる思いで書き上げた「リト」というお話。その思いをHPから一部ご紹介します。

なぜ、こんなにも、書きたい書きたい、早く書きたいと思いながら、朝も昼も夜も考え続け、書き続けたのだろうと振り返ると、映画「1/4の奇跡」に出てくる雪絵ちゃんとの約束を果たしたい思い、コロナウィルスに対する大好きな村上和雄先生の「みんなに伝えてね」という約束を守りたいという強い思いと重なっているからかもしれないと思います。

 村上和雄「サムシング・グレート」に感謝して生きる から

同じ一つの大きな命として、もっと多くのものと共生していく責任と喜びを分かち合う。そうした生き方ができれば、おそらく多くの人が、このたった一つしかない地球で生まれ、たった一つの命を与えられ、奇跡的な確率で生きていることをもっと素直に喜び合えるはずです。

村上和雄先生のサムシング・グレートを私なりにファンタジーで表したのが「リト」です。

ご購入は下記URLをご覧ください。

https://eiga377.wixsite.com/monanomori/blank-8

 

広島国際平和会議から発せられた祈り

「致知」連載第十六回・生命科学研究者からのメッセージでは2006年11月に開催された、ノーベル賞受賞者三人による広島国際平和会議を取り上げました。村上は受賞者の一人であるダライ・ラマ法王からの打診によって会議のコーディネーターを務めました。

  村上和雄のメッセージ

なぜ今この会議のことを取り上げたのか?それは、

「今が人類の分水嶺の時であると感じるからに他なりません。もしあのメッセージを無視してしまったら人類は今世紀末には滅亡してしまうかもしれない、それほどの危機感を抱いているからです。」「私はこの会議が広島で行われた意義をあらためて、いや、何度も何度も日本人として考えなければならないと思っているからです。」

  ダライ・ラマ法王のメッセージ 

  「人類には普遍的責任がある」

人間は社会生活を営む生物である以上、個人の幸せは社会に依存している。経済や人口増加や環境問題など、あらゆる事象がグローバル化した「ニュー・リアリティー」(新たな現実)の時代だからこそ、世界全体を‟人類家族”と捉える考え方が重要だ。その意味で、人類一人ひとりが「普遍的責任」を負っているのである。

平和の対極にある戦争では、相手を敵と見なすが、敵を害することは自分を害することにつながる。利己的な態度を改め、相手の「痛み」を想像しなければならない。すべての人間は他者を思いやる心をもつ。すべての人間は母親から生まれる。そして、母親から無私の愛情を注がれて育つ。他者への思いやりの心は、母親によって育まれるのだ。

   ベティ・ウィリアムズ氏のメッセージ 

  「母性のもつ強さ、親心こそ世界を変える力」

平和とは自分からはじまるものです。人間ならば誰しも、時には暴力的になってしまうものでしょうし、特に私はそうです。子どもたちが傷つけられるのを見ると、とても腹が立ちます。しかしそこで私は毎瞬間、自分と格闘します。怒りを破壊的な行為へと向けるのではなく、ポジティブな感情へと転換しようとしています。怒りは意味があることのために使わなくてはなりません。また、平和とは家庭から始まるものです。私は世界平和を訴えるためには、それに先立って自己の平和と家庭の平和を実現しなければならないと考えております。

息子のポールがある年齢になった頃、人からよく 「男の子なのだから泣いてはいけない」と言われていました。つまり、泣くのは男らしくないというのです。よくも子どもに向かってこんなことが言えたものです。一体どうして男の子は泣いてはいけなくて、女の子は泣いても構わないのでしょうか。このような決まりは古めかしく、馬鹿げています。ですから私は息子にこう言い続けてきました。「男だって涙を流すものよ。人に涙を見られるのを恐れてはいけません。真の男は涙を流すのだから」と。

女性のみなさま、ご家庭で自分の息子をどのように扱うのかというのは大切なことです。調和の取れた男性に育てるためには、感情も含めてあらゆる感性を育成しなくてはなりません特に男の子にとって、感情を表に出すことが許されるということは非常に大切だと思います。

  デズモンド・ツツ大主教のメッセージ

  「赦す」ということ

アパルトヘイト政策が終わりを告げたとき、多くの人々は、残虐な報復行為が起こるのではないかと考えた。しかし、それは起こらなかった。むしろ、和解のための委員会が開かれた。それは、長い間虐げられてきた黒人が、仲介者である国連の助けを借りながら、寛大な精神をもって赦そうとしたからだ。

たとえば、自分の身に何か悪いことが起こったとき、人はそれを忘れてしまおうとする。しかし、それは潜在意識に入り込み、あるとき突然“化け物” となって現れることがある。不幸な出来事に対する、もう一つの方法がある。それは現実を直視することだ。感情的には非常な困難が伴うが、南アフリカでは、まさにそれが行われている。人は変わる。善良な人間になることができる。きのうの敵でも、あすは友になれる。これが南アフリカで起こっている。ならば、世界中のどこでも可能なはずだ。私たちは共に生きるために、人類という一つの家族になるために創造されたのだから。そうでなければ、この地球上で生きていくことはできない。ほかに選択肢はない- 。

 

いま、村上は考える。「世界の平和のために、俯瞰した立場から大いなる働きをできる国があるとしたら、それは日本しかないのではないだろうか」と。

環境問題解決の鍵となる「縁の科学」

「致知」連載第十五回・生命科学研究者からのメッセージ~は、村上和雄と交流のあるダライ・ラマ法王などの発言から地球再生の可能性を探っています。

ダライ・ラマ法王は90年代から環境問題についてのメッセージを世界中で発信してきました。法王は、2015年4月に村上和雄を含む3人の科学者たちと環境問題のシンポジウムに参加されました。

ダライ・ラマのメッセージ 

広い心の〝賢い利己心″

  • 「私は、これまで「利他的行為」は人生がうまくいく方法だと述べてきました。それは、利他が結局は得をするのだという意味で、利己心に通じるものです。」
  • 「もし、利己的であることを捨てきれないのであれば、狭い小さな心ではなく、知恵をもって広い心で利己的になってください」
  • 「つまり、私たち自身の生存という利己心を満たすために、自然環境の保護と保存を進めているということになります。他の人々の健康と幸せに関心を寄せ、苦しみを分かち合い、救いの手を差し伸べるならば、結局は、あなた自身が得をすることになるのです」

まさに、利他が利己心に通じる基本的な考え方がそこにはある。それを、法王は「賢い利己心」と言いました。

「相互依存」は“縁の科学”

ダライ・ラマ法王は、仏教の考え方として、「あらゆる事象は、別の要因で存在している」と言い、それが「空」の意味であると言います。いってみれば、自然を含めた、すべての現象は相互依存で起こっているということであり、それを仏教では「縁起」と言うのです。

  • 「たとえば、多くの国々が兵器に巨額の資金を投じています。誰も戦争を望んではいません。戦争とは殺し合いです。それは人間を燃料とする炎のようなものです。それは私たちを使い尽くす炎です。戦争は人間の歴史の一部ですが、戦争を作りだす概念である『自国』『自国民』『我々』『彼ら』は、もはや私たちが生きるグローバルな世界においては意味をなさない。」
  • 「すべての人類が、私たちと同様幸せに生きたいのだということを思い出さなければなりません。私の未来は他者に依存し、他者の未来もまた私に依存しています。」
  • 「日本は核の攻撃を受けた唯一の国として、率先して核兵器に反対してきました。私は日本が核兵器に反対することを強く支持しますし、是非それを続けていただきたいと思います。」
  • 「人間は本来、ネガティブなものを持っているからこそ、良い行いをして心の中をポジティブなもので満たしていくのです。世界を破壊するのではなく、生命の環境を創造することが必要です」

村上和雄のメッセージ

  • ひとりの人間は37兆個の細胞を持っています。天文学的な数の細胞が、臓器になり働いています。細胞にはお互いを支え、助ける仕組みが組み込まれているのです。細胞は見えますが、お互いを支える愛や思いやりといった心は目に見えない。本当に大切なものは見ることができないのかも知れません。

2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された、2016年から2030年までの国際目標をSDGs(持続可能な開発目標)といいます。環境問題や持続可能な社会といった言葉を耳にすることは多くなりました。とはいえ、まだまだ多くの日本人がこのような国際的な人類の取り組みを他人事のように感じているのではないでしょうか。SDGsでは「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind」ことを誓っています。

地球的問題の解決には科学・技術の善用と大自然サムシング・グレートの恵みに感謝する人間の叡智の両方が必要であると考えます。…以上誌面よりピックアップしました。

新型ウイルスも人類も地球上で生きている、繋がっている、ことを、今一度深く考えさせられます。((=_=)スタッフS)

 

『祈り~サムシンググレートとの対話~』期間限定公開(4月24日~5月10日)のお知らせ

村上和雄先生の「祈り」の映画を作成した白鳥哲監督の地球蘇生プロジェクトの映画7作品が5月10日まで限定公開されることになりました。

これまで村上和雄先生の「祈り」の映画観る機会がなかった方々も、観た方々も是非ご覧ください。コロナウイルスがもたらした様々なピンチを、新たなステージへの飛躍のチャンスに変えるためのヒントになりましたら幸いです。

『祈り~サムシンググレートとの対話~』(2012)90分

 

視聴方法
1.リンクをクリック
2.Vimeoにログイン または アカウント登録
(お名前とメールアドレス、お好きなパスワードを入力)
3.お支払い(クレジット または Paypal)
4.48時間鑑賞できます

その他の下記6作品も下記リンクよりアクセスできます
『蘇生Ⅱ~愛と微生物~』(2019)91分
『リーディング~エドガー・ケイシーが遺した、人類の道筋。~』(2018)96分
『蘇生』(2015)90分
『不食の時代~愛と慈悲の少食~』(2010)84分
『魂の教育』(2008)100分
『ストーンエイジ』(2005)109分

『致知』連載第十四回 ダライ・ラマ法王と科学者との対話

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ法王と村上和雄との出合いは2003年に遡ります。二人は5回にわたり公の場で対話を続けてきました。心と身体、宗教と科学とを結びつける共通項を探り、いかにすれば人類はより幸せに生きられるか、というテーマを探求し語り合ってきたのです。

法王は、仏教と科学との対話には両方にメリットがあると話されます。

「幸せは、仏教でいう祈りや瞑想ではなく、人間の中の感情や本質を見極め、それを明らかに認識し、信心の心ではなく科学的アプローチで訓練することによって生まれてくるものである。科学的アプローチによって一人ひとりが心の中の平和を得、それがひいては世界平和を達成する手段となる」

「もし科学が証明した事実が仏教の教えと矛盾するのなら、教えのほうを変えることも検討すべきだ」

 まさに柔軟で謙虚、物事に囚われることなく真理を求める真摯な姿には敬服しないではいられません。もちろん、法王は科学のみを信奉しているわけではありません。いまの科学で解明できないから真実ではないという考え方は、明確に否定しています。科学で分からないことは無数にあるからです。

村上は生命科学者の立場から、
「心と体、あるいは物質と精神、宗教的なものと科学的なものが、『遺伝子と心』というところで一つに繋がるのではないか」と将来への期待を込めながら、法王にお伝えしました。
村上は「サムシング・グレート」について、宗教者と科学者はアプローチや方法に違いはあるものの、対話は可能であると日頃から考えていたので、法王との対話の機会が得られたことは大変な喜びだったのです。

法王は
「私は必ずしも宗教的な倫理観が必要とは思っていないのです。モラルというものは必ずしも宗教的な面から出てくる必要はありません。世俗の倫理観が持っている可能性、あるいはその能力で十分であるとお話ししているわけなのです。ですから世俗的な倫理観、宗教に対する信心という二つの方向性から人間の可能性を高めていけるのではないかと考えます」と述べられました。 

「近代の世の中は、科学者の様々な発見が宗教的な信心の裏づけとなり、またそういうものが一つに合わさって、いろいろなことを考えていかなくてはならない時代に入ってきています。私は人に対する愛や思いやり、優しさが心の平和、精神的な健康面において非常に重要であり、それには科学と宗教の両方の見方が大切なのではないか。それは村上先生がおっしゃる遺伝子的な観点からも裏づけられると思うのです」

法王は、人間が生まれながらに善であることを信じていて、それは宗教よりもより根源的なものであると考えられているのだと思います。

私(スタッフS)は日本で開催された「宗教と科学の対話」講演会に参加した際、ダライ・ラマ法王が大変科学的な考え方をされることに驚きました。新しい世界を開く鍵は、「科学と宗教の融合」かもしれない、と感じました。