「祈力の充実」で幸せに生きる 『致知』4月号


「致知」 生命(いのち)のメッセージ 連載第100回の記念すべき対談は、村上和雄が人生最後の研究テーマと定めた「祈りと遺伝子」研究において多大なるご尽力をいただきました、横浜弘明寺住職、美松寛昭和尚です。美松和尚は本研究の主旨をご理解いただき、ご賛同いただいて、研究の場をご提供くださいました。宗教的な場において科学的研究をすることについては、批判的なご意見もあったようですが、惜しみなくご親切にご協力くださいました。おかげさまで「祈りと遺伝子」研究も、もう一息でその緒につくところまでたどり着くことができました。対談の一部をご紹介いたします。

村上「宗教と科学とは一見相交わらないように思われているかもしれませんが、私は表裏の関係にあって共通点はあると思うんですよ」

美松「人間の体の中には秘められたパワーがもっとある」「それを引き出すのが、私たち宗教者の役目ではないか」「難病と言われるものや精神的な病気にしても、人間にはそれに立ち向かっていける力が備わっていると思うんです」「研究によって祈りの力がはっきりすれば、もっと意識的に本来人間に備わっている力に、祈りの力をもって働きかけることで、人々を救うことができる」

弘明寺では八のつく日に「護摩行」が行われています。もう何度も参加させていただきましたが、お経と太鼓や鐘の音と、護摩壇の炎、お寺が持つ場の力が相まって、終わるととてもすっきりいたします。美松和尚の力強いお姿は、人々の祈りを大いなるものに届けてくれるように感じますし、力を与えてくれるように感じます。弘明寺は横浜最古のお寺で、千三百年も前に開山された歴史あるお寺ですが、「祈りの寺」というキャッチコピーを付けられたのは美松和尚だそうです。そこには「祈り」の力を信ずる強いメッセージが込められていると感じます。護摩行には誰でも自由に参加できるので、檀家さんだけではなく一般の方も数多くお祈りされています。

美松「御祈願の約七割が病気に関する悩みなんですよ。どうすれば僧侶の立場で、病気を患っている方々の苦しみを取り除くことができるかを考えるようになりました」

美松和尚は、昔、『白い巨塔』を読んで、医者に憧れたそうです。僧侶となって、多くの方の悩みが病気にあることを知って、日本ではお坊さんは死後の世界を扱うというのが一般的ですが、現世で病に苦しむ人たちのためにできることを研究しようと、「病苦研究会」を立ち上げ活動されています。

村上「いま私は八十一歳になりましたけど、原則として毎朝祈っているんですね。それが私のパワーになっている。私にとって祈りというのは日常生活に基づいているわけで、これは遺伝子と祈りの研究をするうえで大きかったと思いますね」

美松「心の及ぼす影響というのはすごく大きい。だからこそ、祈力を充実させることができれば、心の力を引き出すことができる」

村上「二十一世紀は宗教的なものと科学的なものとが融合する命の世紀になってほしい命の世紀をリードしていく使命が、日本人にはあると思うんです」

美松和尚という力強いサポーターとのご縁をいただき、心から感謝しております。村上ラボのメンバー一同、新年度も研究に頑張ってまいります!