時計遺伝子に耳を傾けよ 「致知」11月号


時計遺伝子という言葉をご存知でしょうか?まだ世間では、あまり浸透していないのですが、この研究の第一人者である石田直理雄先生と村上和雄の対談が、「致知」11月号に掲載されました。かなり遅くなってしまったのですが(すみません( ;∀;))、この時計遺伝子関するお話がとても面白かったので、少しご紹介いたします。

生体にリズムがあることは昔から知られていましたが、最初の時計遺伝子がショウジョウバエで発見されたのは1971年のことです。真核生物はもちろん、現在ではほとんどの生物に時計遺伝子があることが分かっています。

時計遺伝子が睡眠に関係していることが2000年以降わかってきました。例えば世の中には4時間くらいの睡眠で十分の人がいますが、これは、時計遺伝子の配列がたった一個異なっているからということがわかってきました。別の配列の1個が異なると普通より長い睡眠が必要になります。

私が朝、弱いのは意志が弱いのではなく時計遺伝子に左右されている可能性がある…ということ!?

ノンレム睡眠は脳のための睡眠で、レム睡眠は筋肉の睡眠です。大人の睡眠はノンレムが90分来てその後にレムが90分と交互に来る。特にノンレム睡眠は完全に脳が休んだ状態なので地震が来てもすぐには起きられません。

来るならせめてレム睡眠の時に来て、地震…((+_+))

タニタが「スリープスキャン」というベッドの下に敷くだけで睡眠解析できる機械を作りました。これで調べると、必ずしも睡眠時間が長ければ睡眠点数がいいわけではなく、睡眠の深さ、レム睡眠とノンレム睡眠の規則正しい交代が影響している…。徹夜明けの睡眠や夕食抜きなどで睡眠の質が悪くなり、そのようなダメージが続くと時計遺伝子の発現がリズムが悪くなり、体内時計の老化が進む。

今疫学的に問題になっていることの一つに、フライトアテンダントに乳がんや肺がんが多いことがあります。その要因の一つが時差ボケで、時計遺伝子の発現に影響が及び、がんになりやすい体質を作っていると言われます。

戦後メタボリックシンドロームが増えた原因は食の西洋化と言われていたが、実はそうではなく、夜型社会化によるサーカディアンリズムのかく乱が原因です。

「睡眠は何のためにあるのか?」時間生物学者の答えは「脂肪を燃やすため」。時計遺伝子を壊してしまうと1個の内臓脂肪の大きさがどんどん大きくなるんです。

海外で、抗がん剤の投与時間を変えただけで5年生存率が飛躍的に上がったという実験結果が得られています。これは薬理時間学の分野の研究ですが、薬ごとにもっときちんとした投与方法を打ち出すことができればQOLや医療費削減につながるはずです。例えば術後の点滴を24時間から、ヒトの活動時間だけに変更することで術後の経過がとてもよくなることがわかりました。

石田直理雄先生は、現在、村上と同じ(公財)国際科学振興財団の、時間生物学研究所でご研究をされています。今後の研究成果が本当に楽しみです!

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