代表挨拶

私は生命科学の現場に50年近くおり、特に、後半は、遺伝子の研究に従事していました。 その間、新しい遺伝子工学を取り入れることができ、幸いにも研究が予想以上に進み、多くの感動的なドラマに出会うことができました。

2000年には、ヒト・ゲノムの全遺伝子暗号(塩基配列)がほぼ解読され、20世紀の科学の最大の成果だといわれました。 しかし、この成果より、もっともっと凄いことがあります。

それは、解読される前に、すでにその暗号が書かれていたという事実です。 万巻の書物に匹敵するヒトの情報が、極微の空間に書き込まれ、しかも、その情報は、いま、一刻の休みもなく、私たちの身体の中で正確に解読されているという事実です。 この見事な人間業を超える働きを、私は「サムシング・グレート」と名付けてきました。 私たちは「サムシング・グレート」のお陰で生かされているとも言えるのです。

いま、私が最も関心を持っているのは、多くの遺伝子は眠っており、それが、いろいろな刺激で眠りを覚ますという事実です。 良い遺伝子をオンにすることができれば、私たちの可能性は飛躍的に向上します。 このようなことが、科学の言葉で説明できる時代を迎えつつあります。

私は、長い研究生活の結論として、「思いが遺伝子の働き(オン・オフ)を変える」と確信するようになりました。 この仮説を科学的に証明するため「心と遺伝子研究会」を2002年8月29日に立ち上げました。

仮説というと、なんだ仮説かという人がいますが、科学は仮説が大切なのです。 あるいは仮説そのものなのです。 科学は殆どの場合、絶対的な真実ではありません。

私たちの身体には、多くの遺伝子が眠っております。 これらの遺伝子が、感動、喜び、笑いなどによって生き生きワクワクすれば、目を覚ますと考えられます。 このことが証明できれば、心と身体の関係が遺伝子のオンとオフで説明できる突破口が開けます。

さらに、この研究で「心の持ちかたによって、眠れる良い遺伝子を目覚めさせること」を示せば、この成果は、将来の教育や生き方に新しい視点を導入できます。 さらに「心と遺伝子」の研究を「いのちと遺伝子」や「魂と遺伝子」の研究にまで発展させたいと思っております。 私は残りの人生を、このプロジェクトにかけたいと思っています。

いまの日本は、元気がありません。 それは、良い遺伝子が眠っている状態にあるからだと考えられます。 けれども、21世紀は日本の出番が来ると私は思っております。 そのためにも、皆さんと一緒になって、このプロジェクトを是非、成功させたいと念願しております。