こころじ~んブログ

祈りは遺伝子を活性化する ~論文第一報~

 

村上が魂を込めて取り組む「祈りと遺伝子」研究の成果第一報が、Human Genomicsの9月付けに掲載されています。

https://humgenomics.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40246-017-0117-3

論文タイトル下記

Distinct transcriptional and metabolic profiles associated with empathy in Buddhist priests: a pilot study

Junji Ohnishi, Satoshi Ayuzawa, Seiji Nakamura, Shigeko Sakamoto, Miyo Hori, Tomoko Sasaoka, Eriko Takimoto-Ohnishi, Masakazu Tanatsugu and Kazuo Murakami

Human Genomics (2017) 11: 21

密教仏教僧侶と一般人の比較を行った結果、僧侶群に、慈悲の心に通ずる「共感性」と関連する「抗ウィルス性遺伝子」「血中代謝物マーカー」を見出しました。このことは、継続的な宗教的行為(祈りなど)が心身の健康を強化する、という仮説の実証になると考えています。私たちは今後も、宗教性と遺伝子発現に関する研究を深化させてまいります。

 

Neuroscience 2017

 

アメリカ(Washington, DC)で開催された国際学会Neuroscience2017で「笑うねずみ」の研究報告をしてきました。参加者3万人、発表者1万5千人以上の大規模な学会です。世界中から多くの神経科学者が集うのでセキュリティーも厳しいです。

心と遺伝子研究会のHPやFacebookで何度かご紹介したように、私たち研究会は、人の笑いや祈りなどのポジティブな感情の基礎的なメカニズムを明らかにするために、仔ねずみの遊びのモデルを使って研究をしています。

皆さんがご存知のように、人や動物は仲間と遊びを通して社会性を発達させて、仲間との関係性を築く能力や子育する能力などを培っていきます。そうした仲間との遊びを通した刺激は社会性だけでなく、脳の発達にも大きく関わっていることが分かってきています。

仔ねずみは仲間と遊ぶときなど、ポジティブな状態にあると、人には聞こえない50kHzの超音波の鳴き声を出します。このねずみの50kHzの鳴き声は、人の笑い声の原型ではないかとサイエンスで紹介されてます。これまでの私たちの研究で、ねずみを遊ばせると、この50kHzの笑い声を出すのと同時に、脳内の側坐核という場所で、幸福感や嬉しいという感情を引き起こすドパミンという神経伝達物質を分泌させるということを証明しました。ねずみのモデルを使うことで、遊びが直接脳内の神経細胞に影響をあたえていることが分かったのです。この側坐核で分泌されるドパミンは、やる気や意欲に関わるなど大事な役割を担っています。

今回の学会では、ドパミンを阻害する薬をこの脳部位に入れると、遊びで笑い声が引き起こされるない(阻害される)ということを報告しました。遊びと嬉しいという感情との関係性を、さらに詳細に確認したものです。

米国でこの研究を中心的にやっている写真のBurgdorf氏とディスカッションもしてまいりました。アプローチは少し違うものの、彼らの研究からも陽性感情のもつ効能は、私たちの研究結果と同じ方向性を示しているので、お互いの結果を語らいうんうんと共感しました。

笑いなどのポジティブな感情がストレスを軽減させ、心身の健康に大事だという認識は広まっていますが、子供たちにとって遊びも、彼らの成長に大切な役割があるということも、どんどん明らかにしていきたいと思っております。

 

以前、米国のサイエンティフィックアメリカンの電子版に、私たちの研究が紹介されておりましたので再度ご紹介いたします。

https://blogs.scientificamerican.com/scicurious-brain/to-calm-a-rat-with-tickling/

いつも、研究会を支えて下さっている皆さまや、研究にご協力いただいている皆さまに感謝申し上げます。

スタッフHori